コラム
Column
ベーカー嚢腫が抜いてもまた溜まる理由|膝裏の腫れの原因
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
ベーカー嚢腫とは、膝関節内で増えた関節液が膝裏の滑液包にたまり、ふくらみができる状態です。
この記事でわかること
- ベーカー嚢腫が抜いてもまた溜まる理由
- 再発を減らす、根本治療の考え方
- 変形性膝関節症との関係と受診の目安

「一度水を抜いたのに、また同じ場所が腫れてきた」。大阪市天王寺区・桃谷駅近くの当院にも、そんなご相談で来られる60〜70代の女性は少なくありません。
ベーカー嚢腫を抜いてもまた溜まるのはなぜ?
膝関節内に「液が増える原因」が残っているためです。
膝裏の滑液包は関節の内部とつながり、炎症で関節液が増えると膝裏へ流れ込みます。成人では大もとに変形性ひざ関節症や半月板損傷が隠れていることが多くあります。
そのため膝裏の液だけを抜いても、関節内で液が作られ続ければまた溜まります。関節鏡治療の研究でも、嚢腫のある膝の全例に関節内病変があり、65%が軟骨の変性でした。再発を減らすには原因への対応が大切です。

膝裏の腫れは放っておいて大丈夫?受診の目安は?
多くは無症状で、膝の張りや正座のしにくさ程度なら、あわてる必要はありません。
一方でふくらはぎまで急に腫れて痛みが強いときは、嚢腫の破裂や血のかたまり(血栓)が関わる場合があり、早めの受診をおすすめします。整形外科でエコー(超音波)を受ければ、その場でふくらみの正体を確認できます。
当院でのベーカー嚢腫の診療について
当院の特徴は、医師と理学療法士がともにエコー(超音波)を使って診療にあたる点です。医師は診察・注射をエコーで確認しながら行い、理学療法士もリハビリの中でエコーで関節の状態を確認します。膝裏のふくらみが嚢腫か、関節内にどれだけ液があるかを医師とPTが共通の情報として持つことで、診察室とリハビリ室の間に方針のずれが生じにくい体制をとっています。
ベーカー嚢腫では、たまった液をエコーガイド下で確認しながら抜き、大もとの変形性膝関節症には膝の負担を減らすリハビリを行います。日本整形外科学会のガイドラインでも運動療法や体重管理が推奨されています。全ての治療の根底にあるものは、理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。
担当の理学療法士はこう話します。「エコーをリハビリに使う理由は、見えないものを見えるようにするためです。どこが弱くて、どこに負担がかかっているかを患者さんと一緒に画面で確認しながら進めると、なぜこの運動が必要なのかが伝わりやすくなります。納得して取り組んでもらえると、回復のスピードも変わってくると感じています」

「抜いてもまた溜まる」とがっかりされる方は多いです。でも、それは膝そのものが発するサイン。原因の膝を一緒に整えていけば、腫れとの付き合い方は変わります。一人で悩まず、ぜひ状態を見せてください。
よくあるご質問(FAQ)
ベーカー嚢腫は自然に消えますか?
炎症が落ち着けば小さくなることもありますが、変形性膝関節症が続くと再発しやすくなります。
水を抜くと「クセになる」と聞きましたが本当ですか?
抜くこと自体が再発の原因ではなく、関節内の原因が残れば再びたまるだけです。
手術は必要ですか?
多くは保存療法で対応します。症状が強い難治例では関節鏡などの手術が検討されます。まずはベーカー嚢腫の状態を確認しましょう。
まとめ
ベーカー嚢腫が抜いてもまた溜まるのは、膝関節内に原因が残っているからです。水を抜く処置と並行して原因の変形性膝関節症に向き合うことが、再発を減らす近道です。気になる方は早めにご相談ください。
参考文献
- Yang K, Li Z, Gui J. Arthroscopic Treatment of Popliteal Cyst Through the Posterior Portal: A Comprehensive Clinical Study. Med Sci Monit. 2024;30:e943472.
- 日本整形外科学会. 『変形性膝関節症診療ガイドライン2023』. 2023. CQ1患者教育・CQ2運動療法・CQ3体重減少. Mindsガイドラインライブラリ
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)
記事監修:臼井俊方
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