コラム
Column
夏の運動はどこまで大丈夫?熱中症を防ぐ40代からの練習調整
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
この記事でわかること
- 年齢とともに夏の運動リスクが上がる理由
- 熱中症を防ぐ練習調整の具体的な目安
- 夏に増える足のつり・ケガへの対処
「若い頃と同じ感覚で大丈夫」と思っていませんか。当院でも、ゴルフやテニス、ランニングを楽しむ40代以降の方から、夏場の体調の崩れやすさについてご相談を受けることが増えています。夏の運動は「やめる」のではなく「調整して続ける」が正解。この記事では、その具体的な目安を解説します。

なぜ年齢とともに夏の運動リスクが上がる?
加齢により汗をかき始めるのが遅れ、汗の量も減るため、体に熱がこもりやすくなるからです。海外の研究レビュー(Balmain, 2018)でも、発汗の開始の遅れが報告されています。皮膚の血流を増やして熱を逃がす反応も、加齢とともに弱まるとされています。もうひとつ見逃せないのが、のどの渇きを自覚しにくくなること。「気づいたときには脱水が進んでいた」が起こりやすいのはこのためです。
一方で同じレビューは、日頃の有酸素運動で体力を保つことが体温調節機能の維持につながることも示しています。だからこそ、夏も工夫しながら運動を続けることに意味があります。

熱中症を防ぐ練習調整の目安は?
暑さ指数(WBGT)と時間帯で「やる・やらない」を決め、休憩と水分・塩分の補給をルール化することです。判断の基準になるのは、公益財団法人日本スポーツ協会の『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版・2025年改訂)』です。WBGTが31以上のときは運動を原則中止、28以上では激しい運動を避けるとされています。
- 真昼を避け、早朝や夕方に運動する
- 10〜20分おきに日陰で休憩し、水分と塩分を補給する
- 首すじや脇を冷やす保冷剤・冷たいタオルを準備する(第6版では運動前後の身体冷却が重視されています)
- 暑さに体が慣れる「暑熱順化」には1〜2週間程度かかるとされ、久しぶりの再開日ほど控えめに
- 睡眠不足・飲酒の翌日・体調が優れない日は思い切って休む
ゴルフなら後半のスコアの乱れ、テニスならフットワークの鈍りは、疲労と脱水のサインかもしれません。「あと1ホール」「あと1セット」の前に、一度立ち止まってください。
途中でやめて対応したいサイン
- めまい・立ちくらみ・筋肉のつり・大量の汗 → 日陰で休憩し、水分・塩分の補給と冷却を
- 頭痛・吐き気・強いだるさ → その日の運動は中止し、医療機関の受診を
- 意識がおかしい・呼びかけへの反応が鈍い → ためらわず救急要請(119番)を
当院での治療について
夏は熱中症だけでなく、運動器のトラブルも増える季節です。脱水や疲労で筋肉がつりやすくなり、集中力の低下でフォームが崩れると、肉離れや捻挫、肘・膝の痛みにつながります。
当院では、医師と理学療法士がともにエコー(超音波)で筋肉や腱の状態を確認します。「どこに負担がかかっているか」を医師と理学療法士が共通の情報として持つため、診察室とリハビリ室で方針のずれが生じにくい体制です。担当の理学療法士はこう話します。「『夏になると足がつりやすい』という方は、水分だけの問題ではないことも多いです。ふくらはぎの柔軟性や疲労の状態をエコーで確認しながら、続けられる運動量を一緒に探していきます」
全ての治療の根底にあるものは、理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。スポーツ整形外科の診療ページとリハビリテーションのページもご覧ください。

好きなスポーツを暑さのせいで諦めてほしくない、というのが正直な気持ちです。調整の仕方がわかれば、夏でも安全に続けられることが多いです。体の状態を一度、一緒に確認させてください。
よくある質問
夏の運動は何時ごろが安全ですか?
気温と暑さ指数が比較的低い早朝、または日が落ちてからが目安です。当日の暑さ指数を確認し、高い日は屋内での運動やお休みへの切り替えも検討してください。
運動を続けると暑さに強くなりますか?
体が暑さに慣れる「暑熱順化」には1〜2週間程度かかるとされています。無理のない範囲で運動を続けることは、体温調節の機能を保つうえでも有用と報告されています。急に運動量を増やさないことが前提です。
夏に足がつりやすいのはなぜですか?
発汗による水分・塩分の不足に加え、筋肉の疲労や柔軟性の低下も関係します。頻繁に繰り返す場合は、エコー検査で筋肉の状態を確認できますので、一度ご相談ください。
まとめ
中高年の夏の運動は、加齢による体温調節の変化を踏まえた「調整」が鍵です。暑さ指数と時間帯で判断し、休憩・水分と塩分・体を冷やす準備をルール化すれば、夏でもスポーツは続けられます。天王寺区・桃谷駅近くの桃谷うすい整形外科は、スポーツを楽しむ大人の体づくりを診療とリハビリの両面からサポートします。夏場の不調やケガが気になる方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 公益財団法人日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)』2025.
- Balmain BN, et al. Aging and Thermoregulatory Control: The Clinical Implications of Exercising under Heat Stress in Older Individuals. Biomed Res Int. 2018;2018:8306154.
- 一般社団法人日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2024』2024.
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)
記事監修:臼井俊方
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