コラム
Column
部活の熱中症対策|保護者ができる家庭での準備と見逃したくないサイン
この記事でわかること
- 部活動で熱中症が起こりやすい時期と理由
- 家庭でできる準備と「休ませる」判断の目安
- すぐに対応したい熱中症の危険なサイン
大阪市天王寺区でも危険な暑さが続く夏休み。部活動に打ち込むお子さんを、心配しながら送り出しているご家庭は多いと思います。部活動中の熱中症が起こりやすいのは、梅雨明け直後から8月上旬。体がまだ暑さに慣れていない時期です。この記事では、保護者だからこそできる準備と、見逃したくないサインをまとめます。

なぜ部活で熱中症が起こりやすい?
部活動での熱中症は、体が暑さに慣れる前の時期に長時間の練習が重なることで起こりやすくなります。子どもは汗をかく機能が発達途中で、体温調節が大人より苦手です。身長が低いぶん、グラウンドからの照り返しの影響も強く受けます。
「弱音を吐きたくない」という気持ちから、不調を言い出せないお子さんも少なくありません。公益財団法人日本スポーツ協会の『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版・2025年改訂)』は、環境に応じて練習を調整する目安を示しています。暑さ指数(WBGT)が31以上のときは、運動を原則中止とする基準です。

家庭でできる対策と「休ませる」目安は?
家庭での役割は、体調を整えて送り出すことと、無理をさせない判断の2つです。
- 睡眠不足・朝食抜き・発熱や下痢のある朝は、練習を休む・見学に切り替える
- 水分は水だけでなく塩分も一緒に。大量に汗をかく練習では、0.1〜0.2%程度の塩分を含む飲料が推奨されています
- 冷たいタオルや保冷剤など「体を冷やす」持ち物を準備する(第6版では運動前後の身体冷却が重視されています)
- 暑さに体が慣れる「暑熱順化」には1〜2週間程度かかるとされ、休み明けや合宿初日ほど注意が必要です
帰宅後の食欲や疲れの残り方を見て、翌日の練習量をお子さんと話し合うことも立派な熱中症対策です。
すぐに対応したい熱中症のサイン
- めまい・立ちくらみ・筋肉のつり・大量の汗 → 涼しい場所で休憩し、水分・塩分の補給と冷却を
- 頭痛・吐き気・強いだるさ → その日の練習は中止し、医療機関の受診を
- 意識がおかしい・呼びかけへの反応が鈍い → ためらわず救急要請(119番)し、到着まで全身を冷やす
当院での治療について
整形外科である当院が熱中症のコラムをお届けするのには理由があります。暑さで集中力が落ちるこの時期は、フォームの乱れによる捻挫や肉離れなど、スポーツのケガも増えるからです。繰り返す筋肉のつりも、脱水だけでなく筋疲労や柔軟性の低下が関わっていることがあります。
当院では、医師と理学療法士がともにエコー(超音波)で筋肉や腱の状態を確認します。所見を共有することで、診察室とリハビリ室の間に方針のずれが生じにくい体制です。担当の理学療法士はこう話します。「夏場は『練習後に足がつる』という相談が増えます。水分だけで解決しないときは、筋肉の疲労や柔軟性が関係していることも多いです。エコーで状態を確認しながら、続けられる練習量を一緒に考えます」
全ての治療の根底にあるものは、理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。スポーツ整形外科の診療ページとリハビリテーションのページもご覧ください。

部活を頑張るお子さんほど、不調を言い出せずに無理をしがちです。「いつもと様子が違う」と感じたときは、家庭でブレーキをかけてあげてください。ケガや繰り返す足のつりが気になるときは、気軽にご相談を。
よくある質問
水とスポーツドリンク、どちらを持たせるべきですか?
大量に汗をかく練習で水だけを飲み続けると、体内の塩分が薄まり体調を崩すことがあります。塩分を含む飲料の併用が推奨されています。両方を持たせて使い分けるのが安心です。
熱中症になった翌日は、部活に行かせてよいですか?
回復したように見えても、体調が戻るまで数日かかることがあります。症状がなくなり、食事と睡眠が普段どおりに取れるまでは休ませ、再開時は練習量を落とすことをおすすめします。
足がよくつるのは熱中症のせいですか?
運動中の筋肉のつりは熱中症の初期症状のひとつとされています。ただし繰り返す場合は、筋疲労や柔軟性の低下が関わっていることもあります。当院ではエコー検査で筋肉の状態を確認できますので、一度ご相談ください。
まとめ
部活動の熱中症は、暑さに体が慣れていない時期の長時間練習で起こりやすく、家庭での体調管理と「休ませる判断」が予防の柱になります。めまい・筋肉のつり・大量の汗はサインと捉えて、早めに対応してください。天王寺区・桃谷駅近くの桃谷うすい整形外科は、スポーツに取り組むお子さんの体づくりとケガの診療で、この夏もご家族をサポートします。
参考文献
- 公益財団法人日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)』2025.
- 一般社団法人日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2024』2024.
- Casa DJ, et al. National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Exertional Heat Illnesses. J Athl Train. 2015;50(9):986-1000.
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)
記事監修:臼井俊方
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