コラム
Column
ばね指とは?家事で指が痛む50・60代女性のための原因と治療法
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
この記事でわかること
- 更年期以降の女性にばね指が増える理由
- 家事での指の使い方がリスクを高めるメカニズム
- 当院でのエコーを活用した丁寧な診断と治療の流れ

朝、起きるときに指が曲がったまま。洗い物やタオルを絞るたびに指が「ガクッ」と引っかかる——そんな症状が続いていませんか。50〜60代の女性によく見られる「ばね指」は、家事による指の酷使と女性ホルモンの変化が重なるこの年代に起こりやすい疾患です。
なぜ50・60代の女性にばね指が多いのか?
ばね指(弾発指)は、指の腱(けん)を包む「腱鞘(けんしょう)」が炎症・肥厚することで、指の曲げ伸ばしに引っかかりが生じる状態です。
50〜60代の女性に多い理由は2つあります。第一に、閉経前後のホルモン変化によって関節・腱周囲の組織が炎症を起こしやすくなること。第二に、料理・洗い物・洗濯・縫い物など、指を繰り返し動かす家事動作が腱鞘への負担を蓄積させることです。
JAMA(2022年)に掲載された総説では、ばね指は一般人口の約2%に発症すると報告されており、更年期女性では発症率が上がることが複数の臨床報告で指摘されていますが、個人差があります。

当院では、「最初は朝だけだったが、だんだん昼間も引っかかるようになり、最終的に指が動かなくなった」という状態で来院されるシニア女性の方もいらっしゃいます。早めにご相談ください。
どの指が引っかかりやすい?症状のセルフチェック
- 朝起きたとき、指が曲がったまま(または伸びたまま)になっている
- 指を曲げ伸ばしするとき「ガクッ」という感覚がある
- 指の付け根を押すと痛いしこり(結節)がある
- 親指・中指・薬指に多い(複数の指に同時に起こることも)

「年のせいだから」と放置される方も多いですが、ばね指は加齢だけが原因ではなく、治療によって改善が期待できます。
当院でのばね指の治療について
全ての治療の根底にあるものは、理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。
当院では、まずエコー(超音波)で腱・腱鞘の状態を「見える化」して診断します。「エコーで診てもらったのは初めて」という声を多くいただく当院独自のアプローチで、炎症の程度と部位を正確に把握してから治療方針を決定します。
保存療法(手術をしない治療)
- 安静・指の使い方の指導
- エコーガイド下腱鞘内注射(ステロイド):炎症部位にピンポイントで薬を届けます
- 理学療法士による手指リハビリ・家事動作の修正アドバイス
Orthopedic Clinics of North America(2015年)でも、ステロイド注射と保存療法を組み合わせたアプローチが成人ばね指の治療として紹介されています。
保存療法で改善が不十分な場合は、日帰り手術(腱鞘切開術)をご提案することもあります。
よくあるご質問(FAQ)
多くの場合、1〜2回の注射と安静で症状が落ち着きます。繰り返し再発する場合は手術も選択肢の一つです。
はい。局所麻酔を使った日帰り手術が可能です。手術時間は15〜20分程度で、術後すぐに指を動かせます。
状態によりますが、多くの方が保存療法中も軽い家事を継続できます。無理のない範囲を理学療法士が個別に指導します。
異なる疾患です。ばね指は腱鞘の問題、ヘバーデン結節・ブシャール結節は指の第1関節の変形です。エコーで鑑別できます。
あります。特に更年期女性では両手や複数の指に同時に発症することがあります。
まとめ
50〜60代の女性に多いばね指は、ホルモン変化と家事による繰り返し動作が重なることで起こりやすくなります。「年のせい」と諦めず、エコーでの正確な診断と理学療法士によるリハビリで改善を目指しましょう。
大阪市天王寺区・桃谷駅周辺でばね指にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
この症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- Currie KB, Tadisina KK, Mackinnon SE. Common Hand Conditions: A Review. JAMA. 2022;327(24):2434-2445.
- Giugale JM, Fowler JR. Trigger Finger: Adult and Pediatric Treatment Strategies. Orthop Clin North Am. 2015;46(4):561-9.
- 日本手外科学会
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)
記事監修:臼井俊方
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