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コラム

Column

2026年7月10日

野球肘とは?子どもが「投げると肘が痛い」と言ったら

こんにちは、桃谷うすい整形外科です。

この記事でわかること

  • 野球肘とは何か、内側型と外側型で経過が大きく異なること
  • 「痛いと言ったら受診」の目安と、放置してはいけないサイン
  • レントゲンで異常なしでも安心できない理由と、エコー検査の役割
この記事でわかる、野球肘について

「野球の練習で投げると肘が痛いみたい」——お子さんのそんな一言に、休ませるべきか、病院に行くべきか迷う保護者の方は少なくありません。野球肘は成長期の投球動作で起こる代表的な障害で、早く気づけば数週間で野球に戻れることがほとんどです。一方で、見つけにくいタイプを見逃すと治療が長引くこともあります。この記事では受診の目安をわかりやすく整理します。

野球肘とは、成長期の子どもが投球を繰り返すことで肘に生じるスポーツ障害の総称で、痛む場所によって内側型・外側型・後方型に分かれます。

野球肘とは?内側型と外側型で経過が違います

野球肘は、成長期の投球動作で肘に負担が繰り返しかかって起こる障害です。特に大切なのは、痛む場所によって経過が大きく異なる点です。

内側型(肘の内側の痛み)

もっとも多いタイプで、肘の内側の骨や靭帯の付着部に負担がかかって痛みます。多くは投球を一定期間休むことで軽快します。小学生に多く見られます。

外側型(肘の外側の痛み)

頻度は低いものの注意が必要なタイプです。上腕骨小頭という部分の軟骨と骨が傷む「離断性骨軟骨炎」で、進行すると軟骨のかけらが関節内に外れ、手術が必要になることもあります。初期は痛みが軽く、気づかれにくいのが特徴です。

野球肘とは?内側型と外側型で経過について

つまり「肘が痛い」と一口に言っても、数週間で戻れるものと、早期発見が将来を左右するものが混在しています。だからこそ、自己判断で様子を見続けず、一度状態を確認することが大切です。

受診の目安は?「痛みが出たら投球を止める」が基本です

結論として、投球時に肘の痛みが出た時点で投球を中止し、痛みが数日で引かない場合は整形外科の受診をおすすめします。次のサインがあるときは特に早めの受診を検討してください。

  • 投球後だけでなく、日常生活でも肘が痛む
  • 肘が最後まで伸びない・曲がらない(可動域の制限)
  • 痛みをかばうように投げ方が変わってきた

診療の現場では、「痛みを言い出せず、大会に間に合わせたくて我慢していた」というお子さんに時々出会います。子どもは試合に出たい一心で痛みを隠すことがあります。保護者や指導者が「投げるときに顔をしかめていないか」を見てあげることが、早期発見の第一歩になります。

投球数の管理も予防に役立ちます。日本臨床スポーツ医学会は、小学生では1日50球・週200球以内を目安とする提言を出しています。無理のない範囲での球数管理を心がけてください。

なぜレントゲンで異常なしでも安心できない?エコー検査の役割

結論からお伝えすると、初期の外側型(離断性骨軟骨炎)はレントゲンに写らないことがあり、「異常なし」だけでは見逃す可能性があるためです。

ここで役立つのがエコー(超音波)検査です。エコーは被ばくがなく、その場で関節の表面を細かく観察できます。実際、野球選手を対象にした超音波検診の研究では、痛みの自覚がないまま外側型の初期病変が見つかった例が報告されています。「痛くないから大丈夫」とは限らないのです。

当院はスポーツ整形外科としてエコーを活用しており、レントゲンとエコーを組み合わせることで、初期の変化も見逃しにくい体制をとっています。

桃谷うすい整形外科ではどのような対応が受けられる?

全ての治療の根底にあるものは、理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。

当院の特徴は、医師と理学療法士がともにエコー(超音波)を使って診療にあたる点です。医師は診察をエコーで確認しながら行い、理学療法士もリハビリの中でエコーを使って筋肉や腱の状態を確認します。「どこに負担がかかっているか」を医師とPTが共通の情報として持つことで、診察室とリハビリ室の間に方針のずれが生じにくい体制をとっています。

内側型で炎症が強い時期は、まず投球を休み、リハビリテーションで肩甲骨や体幹の使い方を見直します。肘だけでなく、投球フォーム全体の負担を減らすことが再発予防につながります。担当の理学療法士はこう話します。「エコーをリハビリに使う理由は、見えないものを見えるようにするためです。どこに負担がかかっているかを画面で一緒に確認しながら進めると、なぜこの運動が必要なのかが伝わりやすくなります」

理学療法士 瀬尾 真矢

「大好きな野球を諦めてほしくない」というのが正直な気持ちです。早く見つかれば、続けながら治せることが多いです。痛みを我慢させる前に、一度肘の状態を一緒に確認させてください。

天王寺区・桃谷駅周辺で少年野球を頑張るお子さんの肘の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q
痛みがすぐ引いたら受診しなくても大丈夫ですか?
A

一度痛みが出た場合は、繰り返さないか注意が必要です。特に外側型は痛みが軽くても進行することがあります。痛みが再発する、可動域が狭い、と感じたら受診をおすすめします。

Q
投球を休む間、まったく運動してはいけませんか?
A

肘に負担のかからない範囲であれば、下半身や体幹のトレーニングは続けられることが多いです。何をどこまで行ってよいかは損傷の程度によって異なるため、診察のうえで個別にご案内します。

Q
痛みがないうちに一度検査を受けた方がよいですか?
A

外側型は痛みが出る前に始まっていることがあるため、投球量が多いお子さんは定期的なエコーでの確認が早期発見に役立ちます。気になる場合はご相談ください。

Q
何科を受診すればよいですか?
A

整形外科、特にスポーツ整形やエコー検査に対応している医療機関がよいでしょう。当院ではレントゲンとエコーを組み合わせて肘の状態を確認しています。

まとめ

少年野球の子どもの「投げると肘が痛い」は、多くが数週間で戻れる内側型ですが、まれに早期発見が重要な外側型が隠れています。痛みが出たら投球を止め、数日で引かなければ受診する。これが基本です。レントゲンで異常がなくてもエコーで見つかる変化があるため、「痛くないから大丈夫」と決めつけないことが、お子さんの野球生活を長く守ることにつながります。

参考文献

  • Matsuura T, et al. Prevalence of Osteochondritis Dissecans of the Capitellum in Young Baseball Players: Results Based on Ultrasonographic Findings. Orthop J Sports Med. 2014;2(8)
  • 日本臨床スポーツ医学会 学術委員会整形外科部会「青少年の野球障害に対する提言」. 小学生の投球数の目安(1日50球・週200球以内).
  • 日本整形外科学会「野球肘」.

 

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

記事監修:臼井俊方

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