コラム
Column
ゴルフ・散歩後に膝が痛い60代へ|整形外科が教える加齢による膝の変化と治療の選択肢
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です。
この記事でわかること
- 加齢で膝関節に起きる変化と変形性膝関節症の進行パターン
- ゴルフや散歩を続けながら膝を守るためのポイント
- 整形外科での検査・治療の選択肢(保存療法から再生医療まで)

ゴルフラウンド後や長めの散歩の翌日、膝がじんじんと痛む——。以前はなかったのに最近そんな状態が続いている方は多いのではないでしょうか。「運動のしすぎかな」「年齢だから仕方ない」と思いがちですが、60代の膝痛には整形外科的に対処できる原因があります。趣味の活動を長く続けるためにも、早めに正確な診断を受けることが大切です。
加齢で膝関節はどう変わる?変形性膝関節症とは
膝関節は大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨で構成され、その間には軟骨がクッションの役割を果たしています。加齢とともに軟骨は水分を失い弾力が低下します。これに体重・筋力低下・長年の使用による摩耗が加わると、軟骨がすり減り骨同士が直接接触するようになります。これが変形性膝関節症です。
日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023(改訂第3版)」によると、60代以上の男性でも有病率は高く、特にBMIが高め・筋力が低い・O脚傾向がある方はリスクが上がります。
ゴルフは腰の回旋動作と長時間の歩行を伴い、膝への繰り返し荷重が大きいスポーツです。散歩も継続的な膝への荷重運動です。これらが軟骨の状態を悪化させているかどうかは、X線・エコーで確認しなければわかりません。

ゴルフや散歩を続けながら膝を守るには?
趣味の活動をやめる必要はありませんが、膝への負担を減らす工夫は必要です。
① 膝周りの筋力を維持する
大腿四頭筋(太もも前面)の筋力低下は膝の負担を直接増やします。椅子を使ったスクワット(浅め)や、仰向けで行う下肢の筋トレを日課にしてください。週2〜3回、無理のない範囲での実施が推奨されています。
② ゴルフ前後のウォームアップ・クールダウン
ラウンド前の股関節・膝周りのストレッチ、終了後のアイシング(10〜15分)を習慣化すると、炎症の蓄積を防ぐ効果が期待されます。
③ 体重・インソールの管理
体重1kgの増加で膝への荷重は約3〜4kg増えます。また、足底のアーチが崩れているとO脚が進行しやすいため、専用インソールの使用が有効な場合があります(効果には個人差があります)。

桃谷うすい整形外科ではどのような治療が受けられる?
全ての治療の根底にあるものは、理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。
当院の特徴は、医師と理学療法士がともにエコー(超音波)を使って診療にあたる点です。医師は診察・注射をエコーで確認しながら行い、理学療法士もリハビリの中でエコーを使って筋肉や腱の状態を確認します。「どこに炎症があるか」「どの筋肉が弱いか」を医師とPTが共通の情報として持つことで、診察室とリハビリ室の間に方針のずれが生じにくい体制をとっています。ゴルフのフォームに起因する負担パターンも、エコーで確認しながらリハビリに反映させることができます。
保存療法(第一選択)
リハビリテーションでは、理学療法士がゴルフや散歩のフォームも踏まえた個別プログラムを作成します。運動習慣を維持しながら膝への負担を減らす動き方を指導します。
注射療法
炎症が強い時期には、エコーガイド下でのハイドロリリース(筋膜の癒着をはがすことを目的とした注射)や関節内へのヒアルロン酸注射(関節の動きを滑らかにすることを目的としています)を行うことがあります。エコーで確認しながら行うため、注射部位の精度を高めることができます。
再生医療(PRP療法)
軟骨の摩耗が進んでいる場合は、再生医療(PRP療法)を選択肢として提示することがあります。自身の血液から作成した血小板成分を注射する治療で、再生医療の一つとして注目されています。費用・適応・リスクについては診察時に詳しくご説明します。

ゴルフを諦めてほしくない、というのが正直な気持ちです。痛みの原因がわかれば、続けながら治せることが多いです。まずは一度、膝の状態を一緒に確認させてください。
桃谷駅近くにお住まいの方、またはゴルフ帰りに天王寺区周辺を通る方、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
必ずしもやめる必要はありません。ただし、痛みの程度・膝の状態によっては一時的な制限が必要な場合があります。「どんな運動をどの程度続けられるか」は診察・検査の結果をもとに判断しますので、まず受診してご相談ください。
いいえ。日本整形外科学会のガイドラインでも、手術は保存療法(運動療法・薬物療法・注射療法など)で改善が見られない場合の最終手段とされています。多くの方は保存療法で日常生活・スポーツへの復帰が可能です。
「2週間以上痛みが続く」「坂道・階段の下りが辛くなった」「朝起きると膝がこわばる」のいずれかが当てはまる場合は、早めに整形外科を受診することをお勧めします。早期の状態確認が、趣味を長く続けるための近道です。
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まとめ
60代男性のゴルフ・散歩後の膝痛は、加齢による軟骨変化(変形性膝関節症)が原因であることが多く、放置すると進行するリスクがあります。一方で、早期に運動療法を中心とした治療を始めることで、趣味の活動を続けながら症状の改善・進行抑制が期待できます。「我慢して様子を見る」より「早めに診てもらう」ことが、アクティブな60代を維持する鍵です。
参考文献
- Fransen M, et al. Exercise for osteoarthritis of the knee: a Cochrane systematic review. Br J Sports Med. 2015;49(24):1554-7. DOI: 10.1136/bjsports-2015-095424
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023(改訂第3版)」. https://www.joa.or.jp/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)
記事監修:臼井俊方
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