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コラム

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2025年2月10日

緊張性頭痛はここが問題の可能性大!~肩こりと大後頭神経の関係を徹底解説~

こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

デスクワークやスマートフォンの操作など、日常的に「肩こり」がひどい方の中には、頭痛も併発して悩んでいる方が多いかと思います。実はこの頭痛、背中や肩の筋肉が硬くなることで大後頭神経が圧迫され、強く出る場合があります。いわゆる緊張性頭痛の原因のひとつとして、要チェックです。今回は、なぜ肩こりと頭痛が連動するのか、当院で行っている治療方法などをわかりやすく解説します。

なぜ肩こりがひどくなると頭痛が発生する?

1)緊張性頭痛とは?

緊張性頭痛は、肩や首周りの筋肉の緊張やストレスなどが引き金となって起こる頭痛です。頭全体を締め付けられるような痛みや鈍い痛みが特徴で、長時間同じ姿勢で作業するデスクワーカーに多く見られます。

2)大後頭神経と肩こりの関係

  • 大後頭神経は、後頭部や頭頂部の感覚を司る神経です。
  • 首の付け根(第2頸神経)から走行し、後頭部の皮膚へと分布しています。
  • 肩こりによって僧帽筋や首周りの筋肉が硬くなると、大後頭神経が通るルートが圧迫を受けやすくなり、これが頭痛につながると考えられています。

大後頭神経が圧迫されやすい部位は?(下斜筋や僧帽筋など)

1)下頭斜筋の影響

  • 下頭斜筋は、首の後ろ・上部にある小さな筋肉です。
  • 大後頭神経は、下頭斜筋の下を通り抜けるルートを持ち、筋肉が過緊張状態になると神経に物理的に圧迫が加わりやすいです。

2)僧帽筋の緊張

  • 僧帽筋は、肩から首、背中にかけて広がる大きな筋肉。
  • 長時間のデスクワークなどで僧帽筋が硬くなると、頭部周辺で僧帽筋を大後頭神経が貫通するため、神経を圧迫し、頭痛やしびれなどを誘発しやすくなります。

当院における治療法

1)エコーガイド下注射

  • 神経が絞扼(圧迫)されやすいポイントを、エコー(超音波)で可視化しながら精密に把握。
  • 局所麻酔薬や消炎鎮痛剤を注入することで、神経周囲の炎症や癒着を緩和します。
  • 必要に応じて「ハイドロリリース」(生理食塩水などで組織の癒着を剥がす治療)を行い、神経の滑走を改善。

2)理学療法(エコーガイド下)

  • 硬くなっている首周り・肩周りの筋肉をほぐすマッサージやストレッチを実施。
  • エコー画像で筋肉や神経の動態を把握しながら、下頭斜筋や僧帽筋などを重点的にアプローチ。
  • 姿勢指導やデスク環境の調整など、再発防止に向けた生活習慣改善も行います。

まとめ

肩こりが原因で頭痛が発生する背景には、大後頭神経の圧迫が大きく関わっているケースがあります。

  • 下斜筋や僧帽筋など、神経が通るルート周辺の筋肉の硬化がトリガーとなり、頭痛を増幅。
  • 長時間のデスクワークやスマホ操作などで姿勢が崩れると、神経周りの負担が一層高まります。

当院では、エコーガイド下注射や理学療法など総合的なアプローチで、首・肩まわりの筋緊張や神経絞扼を改善し、緊張性頭痛の軽減をサポートしています。辛い頭痛と肩こりにお悩みの方は、ぜひご相談ください。

参考論文

  1. Kalmanson OA, et al. Anatomic considerations in headaches associated with cervical sagittal imbalance: A cadaveric biomechanical study. J Clin Neurosci. 2019 Jul;65:140-144. DOI: 10.1016/j.jocn.2019.02.003
  2. Nystrom NA, et al. Surgical fasciectomy of the trapezius muscle combined with neurolysis of the Spinal accessory nerve; results and long-term follow-up in 30 consecutive cases of refractory chronic whiplash syndrome. J Brachial Plex Peripher Nerve Inj. 2010 Apr 7;5:7. DOI: 10.1186/1749-7221-5-7
  3. Dong FH. Precise application of Traditional Chinese Medicine in minimally-invasive techniques. Zhongguo Gu Shang. 2018 Jun 25;31(6):493-496. DOI: 10.3969/j.issn.1003-0034.2018.06.001
  4. Yaman ME, et al. Isolated abducens nerve palsy following lumbar puncture: case report and review of the mechanism of action. J Neurosurg Sci. 2010 Sep;54(3):119-23. PMID: 21423080

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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