06-4392-7077 WEB予約 W
E
B

コラム

Column

2025年12月5日

足底腱膜炎でランニングを諦めないで!原因と改善法を理学療法士が解説

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

「朝起きて最初の一歩で、かかとに激痛が走る」「ランニング中、足の裏が痛くて走れない」そんな足底腱膜炎の痛みでお悩みではありませんか?マラソン大会を目指して練習を重ねてきたのに、足の裏の痛みで走れなくなってしまうのは本当につらいですよね。足底腱膜炎は、ランナーに多い怪我の一つですが、原因を正確に理解し、適切なケアを行うことで改善が期待できます。

足底腱膜炎とは?医師が解説する、身体の中で起きていること

足底腱膜炎は、足の裏にある「足底腱膜(そくていけんまく)」という厚い膜が炎症を起こす状態です。足底腱膜は、かかとの骨から足の指の付け根まで扇状に広がっており、足のアーチ(土踏まず)を支える重要な役割を果たしています。

ランニング時には、着地のたびに足底腱膜に大きな負荷がかかります。この負荷が繰り返されることで、足底腱膜に細かい傷ができ、炎症が起こります。特に、かかとの骨に付着する部分に負担が集中しやすく、この部分に痛みが出ることが多いです。

当院では、超音波(エコー)を用いて足底腱膜の状態を詳しく観察します。エコーでは、足底腱膜の厚みの変化や炎症の程度、周辺組織の状態をリアルタイムで確認できます。レントゲンでは映らない軟部組織の問題も、エコーなら「見える化」できるため、より正確な診断が可能です。

理学療法士が注目する、隠れた「動きのクセ」

足底腱膜炎の原因は、足の裏だけにあるわけではありません。私たち理学療法士は、身体全体の動きを評価し、足底腱膜に負担をかけている「隠れたクセ」を見つけ出します。

ランニングフォームの問題

  • オーバープロネーション(過度の回内):着地時に足首が内側に倒れ込む動きが強すぎると、足底腱膜が過度に引き伸ばされます
  • ヒールストライク(かかと着地):かかとから強く着地すると、足底腱膜への衝撃が大きくなります
  • ピッチとストライドのバランス:歩幅が広すぎると、足への負担が増加します

足のアーチの崩れ

扁平足や、逆にハイアーチ(土踏まずが高すぎる)の方は、足底腱膜への負担が大きくなります。足の指の筋力が低下していると、アーチを支える力が弱まり、足底腱膜に頼りすぎてしまいます。

ふくらはぎの硬さ

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が硬いと、足首の動きが制限され、足底腱膜に余計な負担がかかります。当院では、エコーでふくらはぎの筋肉の状態を確認し、硬さの程度を評価します。

ご自宅でできるセルフケア

足底腱膜炎の改善には、セルフケアが重要です。以下の方法を試してみてください。

1. ふくらはぎのストレッチ

  1. 壁に向かって立ち、両手を壁につきます
  2. 伸ばしたい方の足を後ろに引き、膝を伸ばします
  3. 前の膝を曲げながら、体重を前にかけます
  4. ふくらはぎが伸びているのを感じながら、30秒キープします

回数の目安:左右それぞれ30秒×3セット、1日2回

注意点:かかとは床につけたまま、痛みが出ない範囲で行いましょう。

2. 足底腱膜のマッサージ

テニスボールやゴルフボールを床に置き、足裏で転がします。痛みが強い部分は避け、気持ちよく感じる程度の圧で、2〜3分行います。朝起きた直後や、ランニング後に行うと効果的です。

3. 足指のトレーニング

タオルを床に置き、足の指でたぐり寄せる「タオルギャザー」を行います。足のアーチを支える筋肉を鍛え、足底腱膜への負担を減らします。1日20回×2セットを目安に行いましょう。

当院のチームアプローチ:エコーで診断からリハビリまで「見える」安心感

セルフケアで改善しない場合、原因を正確に特定し、一人ひとりに合った治療計画を立てることが重要です。当院では、医師と理学療法士が連携し、超音波(エコー)を用いて一貫したサポートを提供します。

  • STEP1:医師による「見える」診断 – まず医師がエコーを使い、足底腱膜の炎症の程度、厚みの変化、周辺組織の状態をリアルタイムで観察し、痛みの根本原因を正確に突き止めます。患者様と一緒に画像を見ながら説明しますので、ご自身の足の状態を目で確認できます。
  • STEP2:理学療法士による「動き」の評価と改善 – 診断情報をもとに、理学療法士があなたのランニングフォーム、足のアーチ、ふくらはぎの硬さなどを詳細に評価します。リハビリの過程でもエコーを使い、筋肉が正しく動いているかを確認しながら、最適な運動療法を行い、再発しない身体作りを目指します。

    こんな症状があれば、早めにご相談ください

    • 朝起きて最初の一歩で激痛がある
    • ランニング開始時や終了後に痛みが強くなる
    • セルフケアを2週間続けても改善しない
    • 痛みで日常生活に支障が出ている
    • 両足に痛みがある

    痛みを我慢して走り続けると、症状が悪化し、治療期間が長引く可能性があります。早めの受診が、早期復帰への近道です。

    ストレッチ方法

    関連記事

    まとめ

    足底腱膜炎は、ランナーに多い怪我ですが、原因は足の裏だけでなく、ランニングフォーム、足のアーチ、ふくらはぎの硬さなど、多岐にわたります。当院では、医師と理学療法士がエコーを用いて多角的に評価し、あなたに合った治療とリハビリを提供します。マラソン大会を諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。

    参考論文

    • Martin RL, et al. “Heel Pain-Plantar Fasciitis: Revision 2014”. J Orthop Sports Phys Ther. 2014; 44(11): A1-A33.
    • Wearing SC, et al. “The pathomechanics of plantar fasciitis”. Sports Med. 2006; 36(7): 585-611.
    • Nakale NT, et al. “Association between plantar fasciitis and isolated gastrocnemius tightness”. Foot Ankle Int. 2018; 39(3): 271-277.

    足底腱膜炎でお悩みの方は、私たち専門家チームと一緒に、痛みの根本原因を探り、改善を目指しませんか?マラソン大会への復帰をサポートいたします。どうぞお気軽に当院へご相談ください。

    JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

    このコラムを書いた人

    理学療法士
    瀬尾 真矢

    患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

    得意分野

    変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
    スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

    一覧に戻る
    所在地 〒543-0033
    大阪府大阪市天王寺区堂ヶ芝1丁目11番3号
    DSt桃谷ビルディング 2階
    休診日 木曜・日曜・祝日