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足底腱膜炎

足底腱膜炎

足底腱膜炎とは

足底腱膜の局所的な炎症や変性をきたした状態です。米国の報告では、10人に1人は足底腱膜炎の疼痛に悩まされたことがあるとされているが、その90%は1年以内に保存治療で治癒すると報告されています。

足底腱膜炎の原因

図のように、足底腱膜は、踵骨隆起から各趾の基節骨に付着しています。

強靭な中央部分が足底腱膜であり、アーチの保持に寄与しています。

図:足底腱膜の解剖図
出典:高橋 謙二ら : 足底腱膜炎のみかた MB Orthop. 36(3) : 9-16, 2023

この筋膜が繰り返しの負荷によって治癒と損傷を繰り返し、有痛生の瘢痕組織が出来上がることで発症します。

足底腱膜炎は2つの型に分類されます。

  • 踵骨隆起内側の付着部に発生する付着部型(中高齢者に多い)
  • そのやや遠位の実質部位に発生する非付着部型(スポーツ選手に多い)

足底腱膜炎の症状

朝起床時の歩き出しの痛みから発症します。その後、長い立ち仕事や歩行などの運動時痛を伴うようになり、特にランニングではスピード練習が難しくなります。

足底腱膜炎の検査

特徴的な場所の圧痛を認めます。単純レントゲン検査にて踵骨棘、アーチ、後足部形態の評価をします。超音波検査にて腱膜の肥厚を確認します。

  1. 足底腱膜炎(付着部型)
  2. 足底腱膜炎(非付着部型)
  3. 足底繊維腫
  4. 踵骨下滑液包炎
  5. Baxter`s nerve entrapment
  6. 遠位足根幹症候群

図:圧痛部位による鑑別疾患
出典:高橋 謙二ら : 足底腱膜炎のみかた MB Orthop. 36(3) : 9-16, 2023

保存治療が主体で89-90%は軽快すると言われています。一般的な保存治療として、ストレッチなどの運動療法、インソール、注射、体外衝撃波治療などがあります。

ストレッチ

足底腱膜や下腿三頭筋の拘縮は、痛みの発症の要因となるので、ストレッチによる柔軟性の獲得が必須です。特に、ダイナミックストレッチが有用と考えています。

出典:高橋 謙二ら : 足底腱膜炎のみかた MB Orthop. 36(3) : 9-16, 2023

図のように、段差でつま先立位となり、足趾の下にタオル設置した状態で、足関節最大底屈位→最大背屈位までの踵の上げ下げ運動を行います。
一方、これらの保存治療を6ヶ月以上行っても効果がない場合は、足底腱膜切離術を検討します。

参考文献

高橋 謙二ら : 足底腱膜炎のみかた MB Orthop. 36(3): 9-16, 2023
Monteagudo M et al:Plantar fasciopathy : a current concepts review. EFFORT Open Rev. 3 :485-493,2018.
高橋 謙二:足底腱膜症.スポーツ整形外科学. 松本秀男編.531-535,文光堂,2020.

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