コラム
Column
足首を曲げると足首の前が痛い? 〜実は、ふくらはぎの硬さが原因かもしれません〜
こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
今回は、「足首を曲げようとすると足首の前が痛い」という症状について、ちょっと意外な原因と対策をお話しします。よく見られる症状としては、足関節捻挫をした後に起こるケースや、日頃から足首をあまり動かさない方に見られるパターンがあります。「痛いのは前なのに、実はふくらはぎに問題があるってどういうこと?」と疑問に思う方もいるかもしれません。ここでは、足首前方の痛みとふくらはぎの硬さの関係、そして対策としてのストレッチ方法を紹介していきます。
なんで足首の前が痛いのに、後ろに原因があるのか?
足首を曲げる(背屈する)とき、メインで動いているのは距腿関節と呼ばれる関節です。実は、足首を背屈する際には、ふくらはぎ(後ろ側)の筋肉や腱がしっかり伸びてくれないと、足首の前方に余計な圧力がかかります。これが続くと、前方部でインピンジメント(挟み込み)が起こりやすくなり、痛みとして感じられるのです。
- ふくらはぎが硬いと…
足首を背屈できる角度が少なくなり、前側にストレス集中 → 前方インピンジメントが生じやすい - 足関節捻挫の後遺症で…
捻挫による靭帯損傷や関節周りの癒着があると、より動きが制限され、前方部に負担がかかりやすくなる
足首を曲げることで前に負担がかかる原因
- 距腿関節の可動域制限
足首前方に痛みを抱える多くの方は、足首を背屈する可動域が狭くなっています。これは、ふくらはぎの硬さに加えて、足関節捻挫による関節包や靭帯の短縮・癒着などが原因である場合もあります。 - 前方インピンジメントの発生
足首の前方部分(脛骨と距骨の接合部あたり)が狭くなると、関節包や軟部組織が挟み込まれやすくなり、痛みを引き起こします。特に、ふくらはぎが硬いと踵が十分に下がらず、前方に圧迫がかかりやすいのです。
対策としてのストレッチ方法
ふくらはぎを伸ばすストレッチ
足指を伸ばすストレッチ
まとめ
「足首を曲げると足首の前が痛い」という症状は、思わぬところに原因が潜んでいることがあります。ふくらはぎ(後ろ側)が硬いと、足首の動きを制限し、前方にインピンジメントを引き起こしやすくなります。さらには、過去の足関節捻挫や使いすぎが重なると、慢性的な痛みにまで発展するケースもあります。そこで、まずはふくらはぎを伸ばすストレッチや、足指を伸ばすエクササイズを取り入れてみてください。足首背屈時の余計な負担を減らし、前方の痛みを緩和する手助けとなるはずです。また、痛みが強い場合は専門の医療機関(整形外科やリハビリ科)を受診して、正確な診断と適切な治療を受けることをおすすめします。ちょっとしたセルフケアで改善が期待できる症状もありますので、ぜひ日々の習慣に組み込んでみてください。痛みのない快適な足首を取り戻し、アクティブな日常をサポートしていきましょう!
参考論文
- Maffulli N, Del Buono A, Oliva F. (2013). Anterior ankle impingement. British Medical Bulletin, 105, 105-121.
- Maquirriain J. (2013). Anterior ankle impingement. Foot and Ankle Clinics, 18(3), 467-474.
- Rome K, Brown D, Gray J, et al. (2020). The effect of calf muscle stretching on ankle dorsiflexion range of motion: A systematic review. Journal of Bodywork and Movement Therapies, 24(2), 173-180.
- Bennell KL, Talbot RC, Wajswelner H, Kelly DH, Hall AJ, Sajor P. (1998). Intra-rater and inter-rater reliability of a weight-bearing lunge measure of ankle dorsiflexion. Australian Journal of Physiotherapy, 44(3), 175–180.
- Attenborough AS, Sinclair PJ, Sharp T, Greene A. (2015). Ankle dorsiflexion range of motion and postural stability in uninjured basketball players with and without a previous ankle sprain. Journal of Science and Medicine in Sport, 18(4), 595–599.
足関節捻挫
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人
瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)