コラム
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【スポーツ少年必見】膝の下の骨が出っ張って痛い!それ、オスグッド病です

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
サッカーやバスケットボールなど、ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツに打ち込んでいる小学生・中学生のお子さんから、「膝のお皿の下が痛い」と訴えられたことはありませんか?もし、膝の下の骨がポコッと出っ張ってきて、押すと痛がるようなら、それは成長期特有のスポーツ障害「オスグッド・シュラッター病(以下、オスグッド病)」かもしれません。今回は、お子さんの膝を守るために、親として知っておきたいオスグッド病の原因と正しい対処法について解説します。
オスグッド病って何?なぜ起こるの?
オスグッド病は、成長期の子供に特有の膝の痛みです。特に、スポーツを活発に行う10〜15歳の男の子に多く見られます。痛みの原因は、太ももの前の大きな筋肉(大腿四頭筋)の使いすぎにあります。
1. 筋肉と骨の成長のアンバランス
成長期の子どもの骨はまだ柔らかく、急激に身長が伸びる時期は、骨の成長に筋肉の成長が追いつかないことがあります。その結果、筋肉や腱の柔軟性が低下し、硬くなってしまいます。
2. 膝への繰り返しの負担
ジャンプやボールを蹴る動作は、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を強く収縮させます。この筋肉は、お皿(膝蓋骨)を経由して、膝下のスネの骨(脛骨)に付着しています。筋肉が硬い状態でスポーツを続けると、この付着部が繰り返し強く引っ張られ、炎症を起こしたり、ひどい場合には剥離してしまったりすることがあります。これがオスグッド病の正体です。
3. 症状の特徴
- 膝のお皿の下の骨(脛骨結節)が出っ張ってくる
- その部分を押すと痛い(圧痛)
- 運動中や運動後に痛みが増す
- 休んでいると痛みが和らぐ
オスグッド病になったら?家庭でできること
「成長痛だからそのうち治る」と軽く考えず、適切なケアを行うことが、症状の悪化を防ぎ、早期復帰につながります。
1. まずは安静とアイシング
- 痛みが強い時期は、無理にスポーツを続けず、練習量を減らすか、一時的に休む勇気も必要です。
- 運動後や痛みを感じる時は、患部を氷のうなどで15分ほど冷やし、炎症を抑えましょう(アイシング)。
2. 太ももの前のストレッチ
- 硬くなった大腿四頭筋の柔軟性を取り戻すことが非常に重要です。
- 横向きに寝て、上側の足首を持ち、かかとをお尻に近づけるようにゆっくりと膝を曲げます。太ももの前が気持ちよく伸びる位置で30秒キープしましょう。痛みを感じる場合は無理をしないでください。
3. 痛みを悪化させない工夫
- 正座は、患部を直接圧迫し、太ももの筋肉も強く伸ばされるため、症状を悪化させる可能性があります。できるだけ避けるようにしましょう。
- 市販のオスグッド病用のバンド(サポーター)を着用すると、運動中の痛みが和らぐことがあります。
当院での専門的な治療
痛みが長引く、スポーツへの完全復帰が難しいといった場合は、専門医にご相談ください。
- 正確な診断:レントゲンや超音波(エコー)検査で、骨の状態や炎症の程度を詳しく評価し、他の疾患との鑑別を行います。
- 物理療法:超音波治療や電気治療などを用いて、痛みを和らげ、傷ついた組織の回復を早めます。
- リハビリテーション:理学療法士が、ストレッチ指導はもちろん、体幹の筋力トレーニングや正しい体の使い方(フォーム)の指導を行い、膝に負担のかかりにくい体づくりをサポートし、再発を予防します。
まとめ
オスグッド病は、お子さんがスポーツに一生懸命取り組んでいる証拠とも言えます。しかし、痛みを我慢して無理を続けると、症状が長引くだけでなく、後遺症として骨の出っ張りが残ってしまうこともあります。正しい知識を持って適切に対処し、お子さんが大好きなスポーツを長く楽しめるよう、サポートしてあげましょう。
お子さんの膝の痛みでお悩みの方は、我慢させずに一度お気軽に当院へご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)