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コラム

Column

2026年2月24日

「つき指」だと思っていたら、マレット骨折だった?指先の痛み、放置していませんか

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

こんな悩みはありませんか?

  • 「ボールが当たって指先を痛めたが、つき指だからそのうち治るだろう」
  • 「指の第一関節が曲がったまま伸びなくなった」
  • 「指先をぶつけてから、腫れと痛みが続いている」
  • 「湿布を貼っているが、なかなか良くならない」
  • 「指先に力が入らない、物を掴みにくい」

このような悩み、実は「ただのつき指」と思って放置していると、マレット骨折(骨性マレット指)という骨折を見逃してしまう可能性があります。マレット骨折は適切な治療をしないと、指が曲がったまま固まってしまう(変形が残る)ことがあり、早期の診断と治療が重要です。

原因解説:つき指とマレット指の違いとは

つき指とは

つき指(突き指)は、指先にボールが当たったり、ドアに挟んだりして起こる怪我の総称です。医学的な正式な病名ではなく、「指をぶつけた」という状況を表す言葉として使われます。

つき指には、実はさまざまな病態が含まれます

  • 打撲・捻挫:軽い炎症で、安静にしていれば自然に治ることが多い
  • 靭帯損傷:関節の靭帯が伸びたり切れたりした状態
  • 腱損傷:指を伸ばす腱が切れた状態(腱性マレット指)
  • 骨折:指の骨が折れた状態(マレット骨折=骨性マレット指を含む)

「つき指だから大丈夫」と自己判断するのは危険な場合があります。

マレット指とは

マレット指(槌指:つちゆび)は、指の第一関節(DIP関節:遠位指節間関節、指先に最も近い関節)が曲がったまま伸ばせなくなった状態です。指先が「ハンマー(マレット)」や「槌(つち)」のように垂れ下がったように見えることから、この名前がついています。

  • 発生機転:指先に強い力が加わり、指が急に曲げられたときに起こりやすい(例:ボールが指先に当たる、転倒して指先をつく)
  • 症状:指の第一関節が曲がったまま伸びない、腫れ、痛み
  • 見た目:指先が垂れ下がったように見える

腱性マレット指と骨性マレット指(マレット骨折)の違い

マレット指には、腱の損傷だけか、骨折を伴うかによって2つのタイプがあります

種類原因痛みの程度レントゲン所見治療固定期間
腱性マレット指伸筋腱のみが断裂(骨は無傷)比較的軽い骨折なし装具固定約6~8週間
骨性マレット指(マレット骨折)伸筋腱が骨片を引き剥がして骨折骨折のため痛みを伴う末節骨の剥離骨折が確認できる装具固定または手術約4~6週間

どちらも「指先が伸びない」という症状は同じですが、骨折があるかどうかで治療方針や固定期間が変わります。 レントゲンや超音波で正確に診断することが重要です。

また、骨性マレット指の場合、腱性マレット指と異なり、骨折のため痛みを伴いますが、ある程度は自力で伸ばすことができる場合もあります。

セルフチェック:マレット指の可能性は?

  • 指先をぶつけてから、指の第一関節が曲がったまま伸びない
  • 指先に力が入らない、物を掴みにくい
  • ぶつけてから1週間以上経っても腫れや痛みが続いている
  • 指先を伸ばそうとすると痛みや違和感がある
  • 指の第一関節の背側(甲側)が腫れている、または変形している
  • 自力で少しは伸ばせるが、完全には伸びない(骨性マレット指の可能性)

これらに当てはまる方は、マレット指の可能性があります。
「つき指だから」と自己判断せず、早めに整形外科を受診することをお勧めします。

解決策:早期発見と適切な治療

1. 受傷後はすぐに冷やす・動かさない

指先をぶつけた直後は、以下の応急処置を行ってください

  • 冷やす(RICE処置のI: Icing):氷や冷たいタオルで患部を冷やし、腫れを抑える(15~20分程度、直接氷を当てず、タオルなどで包んで)
  • 動かさない(RICE処置のR: Rest):指を曲げ伸ばしすると、骨折や腱損傷を悪化させる可能性がある
  • 固定:可能であれば、隣の指と一緒にテープで固定し、動きを制限する
  • 挙上(RICE処置のE: Elevation):心臓より高い位置に保ち、腫れを軽減

重要:「つき指は引っ張ると治る」という民間療法は医学的根拠がなく、むしろ症状を悪化させる可能性があります。絶対に行わないでください。

「つき指は引っ張ると治る」という民間療法は医学的根拠がなく、むしろ症状を悪化させる可能性があります。絶対に行わないでください。

2. 早めに整形外科を受診

「つき指だからそのうち治る」と思わず、以下のような症状があれば受診してください

  • 指の第一関節が伸びない
  • 1週間以上腫れや痛みが続く
  • 指先に力が入らない
  • 指の変形が見られる

受傷後できるだけ早く(理想的には1〜2週間以内)に適切な治療を開始することで、変形が残るリスクを減らせます。 受傷から時間が経つほど、治療が困難になる場合があります。

3. 診断方法

マレット指の診断には、以下の検査が行われます

  • 視診・触診:指の変形、腫れ、痛みの部位を確認
  • レントゲン検査:骨折の有無を確認(腱性か骨性かの判断)
  • 超音波(エコー)検査:腱の断裂や骨折の程度をより詳しく評価

4. 治療の選択肢

マレット指の治療は、腱性か骨性か、骨折の程度(関節面への影響、骨片の大きさ、関節面のずれなど)によって決まります

腱性マレット指の場合

  • 保存療法が基本:装具(マレットスプリント)を用いて、第一関節(DIP関節)を伸ばした状態で固定
  • 固定期間:約6~8週間の常時固定が必要
  • 注意点:固定期間中、一瞬でも指を曲げると治癒が遅れ、固定期間が延びる可能性があります
  • 夜間固定:装具除去後も、数週間から数ヶ月の夜間固定が必要な場合があります

骨性マレット指(マレット骨折)の場合

  • 軽度の骨折:装具固定で治療可能(約4~6週間)
  • 重度の骨折:以下の場合は手術を検討
  • 骨片が大きく、関節面の1/3以上を占める場合
  • 関節のずれ(亜脱臼)が著しい場合
  • 保存療法で良好な位置が保てない場合

一般的に、腱性マレット指の方が骨性マレット指よりも固定期間が長い傾向にあります。 これは血流の関係で、腱の治癒には骨の治癒よりも時間がかかるためです。

当院での治療について

当院では、超音波(エコー)を用いて、指の腱や骨の状態を詳細に評価します。レントゲンでは分かりにくい腱の断裂や、骨折の程度をより正確に把握できることがあります。

エコーを用いた診断
  • 的確な診断:レントゲンに加え、エコーで腱や靭帯の状態をリアルタイムに確認
  • 患者様への説明:画像を見ながら、ご自身の状態を視覚的に理解していただけるよう丁寧に説明
  • リハビリテーション:装具除去後は、理学療法士によるリハビリで指の可動域や筋力を回復

こんな症状があれば必ず受診を

以下のような症状がある場合は、早めに医師に相談してください

  • 指の第一関節が曲がったまま伸びない
  • 指先をぶつけてから1週間以上、腫れや痛みが続いている
  • 指先に力が入らない、物を掴みにくい
  • 指の変形が見られる
  • 自力で少しは伸ばせるが、完全には伸びない

これらの症状がある場合、マレット指(腱性または骨性)の可能性があります。早期に適切な治療を開始することで、変形が残るリスクを減らせる可能性があります。

注意事項

つき指の「引っ張る」はNG

「つき指は引っ張ると治る」という民間療法は、医学的根拠が全くありません。 むしろ以下のリスクがあります

  • マレット指の場合:腱の損傷や骨折を悪化させる
  • 脱臼の場合:神経や血管を損傷する恐れがある
  • 靭帯損傷の場合:損傷を広げてしまう

日本整形外科学会や日本整形外傷学会も、「無理やりに引っ張ったりしないで、整形外科を受診しましょう」と注意喚起しています。

自己判断は危険

「つき指だから大丈夫」と自己判断して放置すると、適切な治療のタイミングを逃し、指の変形が残ってしまうことがあります。気になる症状がある場合は、早めに整形外科を受診してください。

固定期間中の注意

マレット指の治療では、固定期間中に一瞬でも指を曲げると治癒が遅れ、固定期間が延びる可能性があります。装具の自己着脱は医師の指示に従い、入浴時なども細心の注意が必要です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
具体的な治療方針については、当院の医師にご相談ください。

参考文献

  • 日本整形外科学会. 「マレット変形(槌指)」. 症状・病気をしらべる.
  • 日本手外科学会. マレット指・マレット骨折. 手の外科の知識.
  • 日本整形外傷学会. されど突き指―. 骨折の解説.
  • 日本臨床整形外科学会. 【誤った知識】突き指は、引っ張って治せ. 健康相談.

本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。マレット指の治療については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。

記事監修:臼井俊方

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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