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コラム

Column

2026年4月7日

ブロック注射とヒアルロン酸注射の違い—膝の痛み、どちらを選ぶ?

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

この記事でわかること

  • ブロック注射とヒアルロン酸注射の違い
  • 膝の痛みの段階に応じた使い分け
  • 注射とリハビリの組み合わせ

こんな悩みはありませんか?

  • 「膝の注射にはブロックとヒアルロン酸があると聞いた。違いは?」
  • 「どちらの注射が自分に合っているかわからない」
  • 「即効性があるのはどちら?」
  • 「効果が長く続くのはどちら?」
  • 「医師から両方提案されたが、選び方がわからない」

膝の痛みに対する注射治療には、ブロック注射ヒアルロン酸注射があります。どちらも関節内に注射しますが、目的効果の出方持続期間が異なります。症状の程度や時期に応じて使い分けられるため、両方の違いを理解しておくことが、適切な治療選択の参考になります。

ブロック注射とヒアルロン酸注射とは?

ブロック注射とは

ブロック注射は、痛みや炎症を「ブロック(遮断)」することを目的とした注射です。整形外科では、主に以下の2つの意味で使われることがあります

  1. 神経ブロック:痛みを伝える神経の近くに局所麻酔薬を注射し、痛みの信号を遮断する
  2. ステロイド(副腎皮質ホルモン)注射:強い抗炎症作用を持つステロイドを関節内や患部に注入し、炎症を抑えて痛みを和らげる

膝の痛みに対して「ブロック注射」と言う場合、多くの場合はステロイドを関節内に注入する注射を指すことが多いです。

ブロック注射の効果
  • 目的:炎症を強力に抑え、痛みを和らげる
  • 特徴即効性が高い。注射後、比較的早く痛みが軽減することが多い
  • 効果の持続:数週間〜数ヶ月程度(個人差あり)
  • 適応:関節に水が溜まっている、赤く腫れて熱を持っている、急性期で炎症が強い場合など

ヒアルロン酸注射とは

ヒアルロン酸注射は、関節内にヒアルロン酸を補充する注射です。ヒアルロン酸は、もともと関節液に含まれる成分で、関節の潤滑やクッションの役割を果たしています。

変形性膝関節症では、関節液のヒアルロン酸の濃度や分子量が低下しているため、これを補充することで症状の改善を目指します。

ヒアルロン酸注射の効果
  • 目的:関節の潤滑性を改善し、軟骨を保護する。炎症の抑制効果もある
  • 特徴:効果が出るまでに時間がかかることが多い。徐々に効いてくる
  • 効果の持続:数ヶ月〜半年程度(個人差あり)。通常、週1回×5回程度の連続注射を行う
  • 適応:変形性膝関節症の初期〜中期。急性の強い炎症よりも、慢性的な痛みやこわばりに用いられることが多い

この症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

ブロック注射とヒアルロン酸注射の比較

項目ブロック注射(ステロイド)ヒアルロン酸注射
主な目的炎症を抑え、痛みを和らげる関節の潤滑性を改善し、軟骨を保護する
効果の出方即効性が高い徐々に効いてくる(数週間かかることも)
効果の持続数週間〜数ヶ月数ヶ月〜半年程度
適応の目安急性期、炎症が強い、水が溜まっている初期〜中期の変形性膝関節症、慢性期
注射回数年3〜4回程度に制限(繰り返しの使用に注意)週1回×5回など、連続で行うことが多い
保険保険適用保険適用(膝関節など)

使い分けの考え方

  • 急性期で炎症が強い(関節が腫れている、熱を持っている、水が溜まっている)→ ブロック注射(ステロイド)が検討されることが多い
  • 慢性期で、じわじわとした痛みやこわばりがある → ヒアルロン酸注射が第一選択となることが多い
  • 両方を組み合わせる場合もある(例:急性期にステロイドで炎症を抑え、落ち着いたらヒアルロン酸に切り替える)
注射の選択の仕方

セルフチェック:どちらの注射が適しているか

  • 膝が腫れて熱を持っている(急性期)
  • 関節に水が溜まっていると言われた
  • 痛みが強く、すぐに和らげたい
  • 慢性的な膝の痛みがあるが、急性の炎症はない
  • 変形性膝関節症の初期〜中期と言われた
  • 効果が長く続く治療を希望している

急性期で炎症が強い場合はブロック注射(ステロイド)、慢性期で潤滑性の改善を目指す場合はヒアルロン酸注射が適している可能性があります。ただし、最終的な選択は医師の診断に基づきます。

注射治療の選択と注意点

ブロック注射(ステロイド)の注意点

  • 回数制限:繰り返し使用すると、軟骨や腱への影響が懸念されるため、年3〜4回程度に制限されることが多い
  • フレア現象:注射後、一時的に痛みが増すことがある(数日で軽減することが多い)
  • 感染リスク:注射による感染のリスクはまれだが、ゼロではない
ブロック注射の注意点

ヒアルロン酸注射の注意点

  • 効果が出るまで時間がかかる:1回目で劇的に良くなることは少なく、数回続けることで効果を実感することが多い
  • 一時的な腫れや痛み:注射後、一時的に違和感が出ることがある
  • アレルギー:まれにアレルギー反応が報告されている(もともと体にある成分のため、リスクは低い)

どちらも運動療法が基本

全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。

注射は痛みを和らげ、運動療法を行いやすくするための「補助」として位置づけられます。注射だけでなく、筋力強化や可動域訓練を組み合わせることで、より良い効果が期待できます。

当院での治療について

当院では、膝の痛みに対する注射治療を行う際、超音波(エコー)ガイド下で実施しています。針の位置をリアルタイムで確認しながら、関節内に正確に薬剤を届けることで、効果を高め、安全性を確保しています。

  • 的確な注射:エコーで関節の状態を確認し、目的の場所に正確に注射
  • 病期に応じた提案:変形性膝関節症の病期を評価し、ブロック注射とヒアルロン酸注射の使い分けを提案
  • 運動療法との組み合わせ:注射で痛みを和らげた状態で、理学療法士によるリハビリテーションを実施

全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。

「どちらの注射が自分に合っているかわからない」という方も、医師の診察とエコー評価により、最適な治療法をご提案します。お気軽にご相談ください。

こんな症状があれば必ず受診を

以下のような症状がある場合は、注射治療の相談をご検討ください

  • 膝の痛みで日常生活に支障が出ている
  • 膝が腫れている、水が溜まっている
  • 湿布や痛み止めでは改善が不十分
  • ブロック注射とヒアルロン酸注射、どちらが適しているか知りたい

症状の程度や時期に応じて、最適な注射治療を提案いたします。

注意事項

軟骨を元に戻すことはできない

どちらの注射も、すり減った軟骨を元に戻すことはできません。痛みの軽減や、進行の抑制を目指す治療です。

医師の判断が重要

ブロック注射とヒアルロン酸注射の選択は、症状の程度、炎症の有無、病期などを総合的に評価した上で、医師が判断します。自己判断せず、必ず医師に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
具体的な治療方針については、当院の医師にご相談ください。

よくあるご質問

Q
ヒアルロン酸注射は何回くらい必要ですか?
A

一般的には週1回×5回程度の連続注射が目安ですが、製剤や症状により異なります。医師と相談のうえ決定します。

Q
ヒアルロン酸注射に副作用はありますか?
A

注射部位の一時的な痛みや腫れが出ることがありますが、重大な副作用は稀です。

Q
両方の注射を併用することはありますか?
A

症状によっては併用することもあります。急性の痛みにブロック注射を使い、慢性期にヒアルロン酸注射で関節機能を維持する方法があります。

まとめ

  1. ブロック注射:炎症を抑え、痛みを和らげる。即効性が高い。急性期、炎症が強い場合に検討。
  2. ヒアルロン酸注射:関節の潤滑性を改善し、軟骨を保護。徐々に効く。慢性期、初期〜中期の変形性膝関節症に検討。
  3. 使い分け:急性期→ブロック注射、慢性期→ヒアルロン酸注射が目安。医師の診断に基づいて選択。
  4. 運動療法が基本:どちらの注射も、運動療法を実施しやすくするための補助。リハビリと組み合わせることが重要。
  5. 当院のアプローチ:エコーガイド下で正確に注射し、病期に応じた最適な治療を提案。

参考文献

  • 日本整形外科学会. 変形性膝関節症診療ガイドライン. 改訂第3版. 2023.
  • 日本整形外科学会. 変形性膝関節症. 症状・病気をしらべる.
  • 石島旨章ら. 変形性膝関節症 病態・診断・治療・患者指導. Osteoporosis Japan PLUS. 2016;1(4):546-551.

本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。ブロック注射とヒアルロン酸注射の選択については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。

記事監修:臼井俊方

この症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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