コラム
Column
冷やす?温める?痛みの時期による対処法
この記事でわかること
- 急性期と慢性期の見分け方
- 冷やすべきタイミングと温めるべきタイミング
- 間違った対処を避けるポイント
こんな悩みはありませんか?
- 「捻挫したけど、冷やすの?温めるの?どちらが正しい?」
- 「痛みが続いているが、今は冷やすべき?温めるべき?」
- 「急性期と慢性期って、いつから慢性期?」
- 「間違った対処をして悪化させたくない」
- 「RICE処置って何?」
ケガや痛みに対する「冷やす」「温める」の判断は、時期によって異なります。急性期(受傷直後)と慢性期(炎症が落ち着いた後)では、正反対の対処が求められることがあります。間違った対処は症状を悪化させる可能性があるため、時期に応じた正しいセルフケアを知っておくことが大切です。
この症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
原因解説:なぜ時期で対処法が違うのか
急性期と慢性期の違い
痛みやケガには、急性期と慢性期があります。
- 急性期:受傷直後〜おおよそ48〜72時間(2〜3日)以内。炎症が起きており、腫れ、赤み、熱感、ズキズキとした痛みが特徴
- 慢性期:炎症が落ち着いた後。こわばり、鈍い重さ、動かしにくさが主体になる
急性期は「冷やす」
急性期では、患部で炎症反応が起きています。血管が拡張し、炎症物質が広がり、腫れや痛みが増すことがあります。
冷やすことで
- 血管が収縮し、炎症の広がりを抑える
- 腫れや内出血を軽減する
- 痛みを和らげる(冷感で痛みを感じにくくする効果もある)
慢性期は「温める」
慢性期では、炎症は落ち着いています。血流が悪くなり、こわばりや筋肉の硬さが残ることがあります。
温めることで
- 血流が促進され、疲労物質の排出が促される
- 筋肉の柔軟性が高まり、動きが楽になる
- こわばりの軽減が期待できる
セルフチェック:今は冷やす?温める?
- ケガをした、捻挫した、打撲した(2〜3日以内)→ 冷やす
- 患部が腫れている、熱を持っている → 冷やす
- 痛みが始まってから1週間以上経過している
- 腫れや熱感は落ち着いたが、こわばりや鈍い痛みが残っている → 温める
- 慢性的な肩こり、腰痛、関節のこわばり → 温める
判断の目安:腫れて熱い場合は冷やす、熱感がなくこわばっている場合は温める。
解決策:時期に応じた正しい対処法
急性期:冷やす(RICE処置)
受傷直後〜2〜3日以内は、RICE処置が基本です。
- R(Rest:安静):患部を動かさない
- I(Ice:冷却):患部を冷やす
- C(Compression:圧迫):包帯やテーピングで軽く圧迫し、腫れを抑える
- E(Elevation:挙上):心臓より高い位置に保ち、腫れを軽減

冷やすときのポイント
- 時間:1回15〜20分程度。長くても30分以内
- 間隔:1〜2時間ごとに繰り返す
- 方法:氷嚢、アイスノン、冷たいタオルを使用。直接氷を肌に当てない(薄いタオルで包む)
- 注意:30分以上の連続冷却は凍傷のリスクがある
慢性期:温める
炎症が落ち着いた後(おおよそ3日目以降)は、温めることが有効です。

温めるときのポイント
- 方法:入浴、蒸しタオル、使い捨てカイロ(肌に直接貼らない)
- 時間:10〜20分程度
- タイミング:動かす前に温めると、可動域が改善しやすく、ストレッチや運動が行いやすくなる

迷ったときは
- 腫れている、熱を持っている → 冷やす
- 熱感はないが、こわばっている → 温める
- 判断がつかない → 整形外科で相談を
当院での治療について
当院では、痛みの時期や状態に応じた適切な治療を提案しています。
また、エコーを使用して患部内の状況を確認し、適切な対応を提案いたします。
- 急性期:冷却、安静、必要に応じて装具固定や消炎鎮痛剤
- 慢性期:温熱療法、運動療法、ストレッチの指導
「冷やすべきか温めるべきかわからない」という方も、医師の診察で状態を評価し、最適な対処法をご案内します。
こんな症状があれば必ず受診を
以下のような場合は、自己判断せず早めに整形外科を受診してください:
- 強い痛みや腫れがある
- 関節が変形している、動かせない
- 冷やす・温めるで改善しない
- 骨折や靭帯損傷の可能性がある
よくあるご質問
1回15〜20分程度が目安です。氷を直接肌に当てると凍傷の恐れがあるため、タオルで包んで使用してください。
温湿布のメンソール成分による温感効果はありますが、実際に患部の温度を大きく上げるわけではありません。血行促進にはお風呂や蒸しタオルが有効です。
迷ったときは冷やす方が安全です。温めて症状が悪化した場合は中止し、早めに医療機関を受診してください。
まとめ
- 急性期(2〜3日以内)は冷やす:炎症を抑え、腫れや痛みを軽減。RICE処置が基本。
- 慢性期は温める:血流を促進し、こわばりを和らげる。
- 判断の目安:腫れて熱い→冷やす、熱感なくこわばり→温める。
- 冷やすとき:15〜20分、直接氷を当てない、1〜2時間ごとに繰り返す。
- 迷ったら受診を:適切な対処法は医師の診察で判断できます。
参考文献
- 日本整形外科学会. スポーツ外傷・障害の予防ガイドライン. 第2版. 2019.
- 日本救急医学会. 救急蘇生のための指針. 2020.
本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。痛みの対処法については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。
記事監修:臼井俊方
この症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)