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コラム

Column

2026年2月17日

ヒアルロン酸注射とPRP療法、どちらを選ぶ?変形性膝関節症の注射治療の選択

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

こんな悩みはありませんか?

  • 「ヒアルロン酸注射を受けているが、効果が感じられない」
  • 「ヒアルロン酸とPRP療法、どちらの注射が自分に合っているかわからない」
  • 「保存療法を続けているが、痛みがなかなか改善しない」
  • 「次のステップとしてPRP療法を検討しているが、ヒアルロン酸との違いがわからない」
  • 「注射治療の選択肢が多く、どの治療を選べばいいか迷っている」
  • 「ヒアルロン酸の効果が持続しなくなってきた」

このような悩み、変形性膝関節症の注射治療には複数の選択肢があり、治療の流れに沿って使い分けることが重要です。
保存療法で痛みの症状が緩和されない場合は、膝関節や股関節に対する再生医療(PRP療法)が選択肢としてあります。
ヒアルロン酸注射とPRP療法の位置づけと、どのタイミングでどちらを選ぶかを解説します。

原因解説:変形性膝関節症の注射治療の流れ

関節温存治療とは

関節温存治療は、関節の機能を回復させるために、人工関節を使わない治療法の総称です。
これには薬物療法、注射療法、リハビリテーションなどの保存療法が含まれます。
また、関節鏡手術や骨切り手術など、特定の手術も関節温存治療に含まれます。

さらに、自身の細胞を活用して関節内の炎症を軽減し、損傷した組織を修復する関節再生治療と呼ばれるアプローチも存在します。
具体的には、PRP療法、ASC療法(培養幹細胞治療法)などがあり、軟骨がすり減って変形している変形性関節症などに対する治療の選択肢となっています。

保存療法の構成

変形性膝関節症の治療は保存療法と手術療法に分けられます。
保存療法では主に運動療法と薬物療法の2つを併用して行いますが、運動療法が基本となります

薬物療法は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)とヒアルロン酸関節内注射が主に用いられます。
消炎鎮痛剤は消化管障害と腎障害のリスクがあるため、使用は病期・病態によって使い分け、短期的に使用します。
薬物療法で痛みを和らげることで運動療法が可能となり、筋力を増強し痛みをさらに軽減させることを目指します。

そのほかに、温熱療法、干渉波などの電気療法、O脚で膝の内側にかかる負担を外側に逃す足底板を用いた装具療法も選択肢として考えられます。

治療の段階とPRP療法の位置づけ

変形性膝関節症の治療は、以下のような流れで進められます

  1. 保存療法(運動療法・薬物療法) – 運動療法が基本。薬物療法には消炎鎮痛剤とヒアルロン酸関節内注射が含まれる
  2. 保存療法で痛みの症状が緩和されない場合膝関節や股関節に対する再生医療(PRP療法)が選択肢としてあります
  3. それでも膝の痛みが治らず、日常生活に支障をきたす場合 – 手術療法が検討される

あらゆる保存療法で症状が改善しない場合かつ、手術にて症状の改善が期待できる場合のみ、手術加療を勧めます。

セルフチェック:ヒアルロン酸とPRP療法、どちらが適しているか

  • ヒアルロン酸注射を受けているが、効果が感じられない
  • ヒアルロン酸の効果が持続しなくなってきた
  • 保存療法(運動療法・薬物療法)を続けているが、痛みがなかなか改善しない
  • 消炎鎮痛剤を飲んでも、痛みが十分に和らがない
  • 次のステップとしてPRP療法を検討しているが、違いがわからない
  • 注射治療の選択肢が多く、どの治療を選べばいいか迷っている
  • まだ軟骨が残っていると言われたことがある

これらに当てはまる方は、PRP療法が選択肢となる可能性があります。
ただし、関節の状態によって適応が異なるため、医師に相談することをおすすめします。

解決策:ヒアルロン酸注射とPRP療法の違いと使い分け

ヒアルロン酸関節内注射の位置づけ

変形性膝関節症診療ガイドライン2023では、ヒアルロン酸関節内注射は推奨グレードBとされています。

ヒアルロン酸関節内注射は、保存療法における薬物療法の一環として行われます。
ヒアルロン酸は関節液の主成分であり、関節液の粘弾性を補うことで関節の潤滑性を改善します。また、滑膜・軟骨・骨に対する保護的効果も期待されています。

薬物療法で痛みを和らげることで運動療法が可能となり、筋力を増強し痛みをさらに軽減させることを目指します。

全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。
ヒアルロン酸注射は、この運動療法を実施するための痛みのコントロールとして位置づけられます。

ヒアルロン酸注射の効果

複数の研究により、ヒアルロン酸注射はプラセボ(偽薬)と比較して痛みの軽減や機能の改善において有意な効果を示すことが報告されています。

ただし、効果の程度は個人差があり、また変形の進行度によっても異なります。 一般的に、初期から中等度の変形性膝関節症に対して効果が期待できるとされています。

PRP療法(多血小板血漿療法)の位置づけ

保存療法で痛みの症状が緩和されない場合は、膝関節や股関節に対する再生医療(PRP療法)が選択肢としてあります。

PRP療法とは、Platelet Rich Plasmaの略で、日本語では多血小板血漿療法と呼ばれています。
これは、患者自身の血液から血小板を濃縮し、これを患部に注射する治療法です。

血小板には、組織の修復や再生を促す成長因子が含まれています。PRP療法では、この成長因子を患部に直接届けることで、炎症を抑制し、組織の修復を促す効果が期待できます。

整形外科における再生医療は、従来の保存療法で十分な効果が得られなかった患者さんや、手術を避けたい患者さんにとって、新たな治療の選択肢となる可能性があります。

PRP療法とヒアルロン酸の効果比較

複数の研究により、PRP療法はヒアルロン酸注射と比較して、疼痛緩和効果や機能改善効果が優れている可能性が示唆されています。

特に、以下のような特徴があります

使い分けの考え方

運動療法を実施しながら、薬物療法や再生医療などさまざまな選択肢を検討しトライして行くことで、できるだけ手術治療を避けられると考えております。

治療の段階的なアプローチ

  1. 第一段階:保存療法(ヒアルロン酸を含む)
    運動療法と薬物療法を併用。ヒアルロン酸関節内注射で痛みをコントロールしながら運動療法を実施
  2. 第二段階:再生医療(PRP療法)
    保存療法で痛みの症状が緩和されない場合の選択肢。運動療法と組み合わせて実施
  3. 第三段階:手術療法
    あらゆる保存療法で症状が改善しない場合かつ、手術にて症状の改善が期待できる場合のみ検討

どの段階においても、全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法であることを忘れずに、治療を進めることが重要です。

当院での治療について

病期に応じた治療の提案

当院では変形性膝関節症の病期を判断して、病期に応じた治療を提案します。
全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。

「なぜ痛みが続いているのか」を考え、超音波(エコー)を用いて関節の状態を詳細に評価し、変形性関節症の病期を判断して、病期に応じた治療を提案します。

注射治療の選択

保存療法では、消炎鎮痛剤とヒアルロン酸関節内注射を主に用います。
保存療法で痛みの症状が緩和されない場合は、膝関節や股関節に対する再生医療(PRP療法)が選択肢としてあります。

※当院では、PRP療法を膝関節と股関節にのみ実施しています。

エコーガイド下で安全かつ正確に注射を行い、組織の修復をサポートします。

費用について

PRP治療 1回 50,000円(自由診療)

こんな症状があれば必ず受診を

以下のような症状がある場合は、早めに医師に相談してください

  • ヒアルロン酸注射を受けているが、効果が感じられない
  • ヒアルロン酸の効果が持続しなくなってきた
  • 保存療法を続けているが、痛みがなかなか改善しない
  • 次のステップとしてPRP療法を検討している
  • 注射治療の選択肢が多く、どの治療を選べばいいか迷っている
  • まだ軟骨が残っていると言われたが、痛みが続いている
  • 将来的に手術が必要と言われたが、手術は避けたい

これらの症状がある場合、ヒアルロン酸注射からPRP療法への切り替えや、適切な治療計画を立てるために、一度ご相談ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
具体的な治療方針については、当院の医師にご相談ください。

要約まとめ

  1. 保存療法の構成:変形性膝関節症の保存療法では、運動療法が基本となり、薬物療法として非ステロイド性消炎鎮痛剤とヒアルロン酸関節内注射が主に用いられます。
  2. ヒアルロン酸の位置づけ:ヒアルロン酸関節内注射は保存療法の第一線。診療ガイドライン2023で推奨グレードBとされています。薬物療法で痛みを和らげることで運動療法が可能となり、筋力を増強し痛みをさらに軽減させることを目指します。
  3. PRP療法の位置づけ:保存療法で痛みの症状が緩和されない場合は、膝関節や股関節に対する再生医療(PRP療法)が選択肢としてあります。
  4. 効果の違い:ヒアルロン酸は関節の潤滑性改善と保護が主な作用で、効果の持続期間は比較的短い。PRP療法は炎症の抑制と組織修復の促進が主な作用で、効果の持続期間はより長い(1~2年程度)。
  5. リハビリテーションが基本:全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。ヒアルロン酸注射もPRP療法も、運動療法と組み合わせて実施します。
  6. 段階的なアプローチ:運動療法を実施しながら、薬物療法や再生医療などさまざまな選択肢を検討しトライして行くことで、できるだけ手術治療を避けられると考えております。

ストレッチ

参考文献

  • 日本整形外科学会,他,監:変形性膝関節症診療ガイドライン 2023.改訂第3版.
  • 成尾政図. 変形性関節症治療におけるヒアルロン酸注射の有効性と関連要因. 成尾整形外科病院ブログ. 2025.
  • 石島旨章. 変形性膝関節症 予防は生活習慣改善、治療は筋力アップから. Osteoporosis Japan PLUS. 2016;1(1):18-19.

本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。ヒアルロン酸注射とPRP療法の選択については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。

記事監修:臼井俊方

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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