コラム
Column
ガングリオンはエコーで「見える」—針を刺さずに、痛みなく診断できます
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
こんな悩みはありませんか?
- 「しこりに針を刺す検査って、痛いのでは?」
- 「レントゲンで写らないと言われた。どうやって診断するの?」
- 「良性かどうか、画像で確認して安心したい」
- 「痛みのない方法で診断してほしい」

手首や指の付け根をはじめ、足首などの関節周辺にできるガングリオンは、超音波(エコー)検査で痛みなく診断できます。針を刺す検査(穿刺)よりも先にエコーで評価できるため、患者様の負担を減らしながら、安心していただける診療が可能です。
ガングリオンとは
ガングリオンは、関節や腱鞘の周囲にできる、ゼリー状の液体で満たされた袋(嚢胞)です。手関節の背側(手の甲側)に最も多く発生し、指の付け根や足首などにもできることがあります。発生原因ははっきりと分かっていませんが、良性の腫瘤であり、悪性化することはありません。

なぜエコーで「見える」のか
レントゲン(X線)は骨を写すのに優れていますが、ガングリオンのような軟部組織の腫瘤はほとんど写りません。一方、超音波(エコー)は軟部組織の観察を得意としており、液体と固体を区別できるため、ガングリオンの診断に適しています。

エコーでは、ガングリオンは以下のような特徴的な像として描出されます
- 低エコー〜無エコー(黒っぽく見える):液体で満たされた袋の内部が黒っぽく表示されます。典型的な大きなガングリオンでは完全に黒い像を、小さなものではやや暗い像を示します
- 境界が明瞭:袋の壁がはっきりと描出され、しこりの形や大きさが分かる
- 後方エコー増強:液体を含む嚢胞に特徴的な所見で、診断の手がかりになる

この特徴的な像により、穿刺をしなくてもエコーだけでガングリオンと診断できることが多いのです。
検査方法の比較
| 検査方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 超音波(エコー) | 痛みがない、放射線被曝なし、リアルタイムで観察可能 | 検査者の技術に依存する、小さな病変では典型的な像を示さないことがある |
| 穿刺吸引 | 内容物を確認して確定診断できる | 針を刺すため痛みを伴う、感染のリスク(まれ) |
| MRI | 詳細な画像が得られる、深部の病変にも有用 | 時間・費用がかかる |
当院での診断・治療について
当院では、超音波(エコー)を駆使した「見える」診療を大切にしています。ガングリオンの診断においても、エコーの有用性を最大限に活かし、患者様の負担を最小限に抑えるアプローチをとっています。
エコーでガングリオンを「見える化」する
- プローブを当てる:しこりの部位にゼリーを塗り、超音波を出すプローブ(探触子)を当てます。痛みはありません
- リアルタイムで観察:モニターにしこりの内部構造が映し出されます。液体で満たされた袋(低エコー〜無エコー域)として描出されれば、ガングリオンの可能性が高いと判断できます
- その場で説明:画像を一緒に見ながら、「ここが液体で満たされた袋です」「ガングリオンに特徴的な所見であり、悪性を疑う所見はありません」と丁寧に説明します
ご自身のしこりが何であるかを画像で目に見える形で理解していただくことで、不安の解消につなげています。

穿刺吸引を行う場合もエコーガイド下で
エコーでほぼ診断がつくことが多いですが、エコー像が典型的でない場合や、治療として内容物を吸引する場合には穿刺を検討します。その際も当院ではエコーガイド下で針の位置を確認しながら実施し、正確性と安全性を確保しています。
こんな症状があればご相談ください
- 手首や指の付け根、足首などの関節周辺にしこりができた
- しこりが何なのか心配で、画像で確認したい
- 針を刺す検査は避けたいが、診断を受けたい
- 良性かどうか、安心して確認したい
エコーは痛みがなく、放射線被曝もありません。「しこりが気になるけど、針を刺すのは怖い」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
注意事項
エコーは診断の有力なツールですが、小さな病変で典型的な嚢胞像を示さない場合や、深部にある触知できないガングリオンには、MRIや穿刺など他の検査を検討することがあります。最終的な診断は医師の総合的な判断に基づきます。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
具体的な治療方針については、当院の医師にご相談ください。
参考文献
- 日本整形外科学会. ガングリオン. 症状・病気をしらべる. https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/ganglion.html
- 日本手外科学会. 手外科シリーズ 5. ガングリオン. https://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/pdf/5gangurion.pdf
- 日本整形外科学会(監). 軟部腫瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版). 南江堂, 2020.
本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。ガングリオンの診断・治療については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。
記事監修:臼井俊方
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)