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コラム

Column

2025年3月18日

腕の内側から小指側が痛い、痺れる人必見!〜尺骨神経へのハイドロリリース〜

こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

日常生活やスポーツ、デスクワークなどで、腕の内側から小指側にかけて痛みや痺れを感じる方は多く、その症状は尺骨神経の障害が原因となっている可能性があります。今回は、尺骨神経がどのような役割を果たし、どのような経路を走行しているか、また当院で実施している原因評価と治療法についてご紹介します。特に、エコーガイド下ハイドロリリースを用いた治療法に焦点を当て、効果的なアプローチを解説します。

尺骨神経とは?

尺骨神経は、腕神経叢の内側神経束に由来し、肘部管(Cubital Tunnel)を通って前腕、手の内側(小指とその隣の半分の感覚)に分布する主要な神経です。具体的には以下のような特徴があります。

  • 支配領域
    • 前腕の尺側の皮膚感覚(小指側)を担当
    • 一部、手の筋肉(内在筋など)の運動も支配
  • 走行経路
    • 肘部の内側、特に肘部管内を通過し、Osborne’s ligamentの下を走行
    • 尺側手根屈筋(Flexor Carpi Ulnaris)の深層を通るため、深部の軟部組織や靱帯と密接な関係があります

この経路上で、外傷や反復負荷、または医原性の手技により神経が圧迫されると、痛みや痺れが発生することがあります。

ハイドロリリースとは?

ハイドロリリースは、注射によって生理食塩水や局所麻酔薬を患部に注入し、周囲の筋膜や癒着を物理的に剥がす治療法です。

  • 目的
    神経や軟部組織の滑走性を改善し、圧迫状態を緩和することで痛みや痺れの改善を図ります。
  • 利点
    迅速に効果が期待できるため、症状の早期改善に寄与します。
最近流行り? ハイドロリリースって何?

当院における原因の評価方法

当院では、尺骨神経障害の原因を正確に把握するため、以下の評価方法を実施しています。

  • 身体所見および整形外科的テスト
    • 患者様の症状を詳細に聴取し、肘部の圧痛、可動域、神経走行に沿った触診を行います。
    • 特定の動作で痛みや痺れが再現されるかどうかを確認し、尺骨神経障害の可能性を検討します。
  • エコー(超音波)検査
    • 高解像度エコーを用いて肘部管やOsborne’s ligament下を走行する尺骨神経の状態をリアルタイムで観察します。
    • 神経断面積(CSA)の変化や形態異常、周囲組織との癒着や炎症所見を確認し、神経圧迫の程度を評価します。

当院における治療法

当院では、尺骨神経圧迫による症状改善に向けて次の治療法を組み合わせた包括的アプローチを実施しています。

  • エコーガイド下ハイドロリリース
    • エコーで正確な圧迫部位や癒着部位を特定し、生理食塩水や局所麻酔薬、消炎鎮痛剤を注射します。
    • 神経周囲組織癒着を解消し滑走性を改善することで痛みや痺れを軽減します。
  • 理学療法(エコーガイド下)
    • エコーによる評価を併用しながら、神経周囲の柔軟性向上、神経スライダーエクササイズ、筋力強化エクササイズを実施します
    • 正しい上肢の使い方と再発防止トレーニングプログラムを提供。
  • 姿勢アライメント修正
    • 不適切な姿勢が尺骨神経への負担を増大させるため、デスクワーク時や日常生活での姿勢指導を行い、全体的な身体のバランスを整えます。

まとめ

腕内側から小指側の痛みや痺れは、尺骨神経が圧迫されたりして影響する可能性が大きいです。この尺骨神経は肘部管通り、Osborne’s ligament下を走行し、尺則手根屈筋の深層を通過する重要な役割を果たしています。この経路上で圧迫されると伝達障害が起こり症状が発生します。当院では、身体所見とエコー検査を組み合わせ、精密な評価を行い、エコーガイド下ハイドロリリースや理学療法、姿勢アライメント修正を用いて、症状の改善、再発防止に努めています。腕の痛み痺れに悩む方は早期に専門医へ相談し、適切な診断・治療を受け、快適な生活を取り戻しましょう!

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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