コラム
Column
肩腱板断裂って、エコーで見えるの?
こんにちは! 桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
肩が痛い、腕が上がらない、夜に痛みが強くて眠れない——そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。
特に40〜70代の方に多くみられる症状のひとつに「肩腱板断裂」があります。
今回は、この肩腱板断裂がエコー(超音波検査)でどのように確認できるのか、わかりやすく解説します。
肩腱板断裂とは?
肩の関節を安定させ、スムーズに動かす役割を持つ「腱板」と呼ばれる筋肉の束が、何らかの原因で損傷または断裂した状態を指します。
腱板断裂の主な症状
- 腕が上がりづらい:特に上方向や横方向に腕を動かす際に痛みや制限を感じます。
- 夜間の痛み:夜間、特に横になると肩の痛みが増し、睡眠を妨げることがあります。
- 重いものが持てない:肩に力が入らず、日常生活で重い物を持つのが困難になります。
研究によれば、肩腱板断裂の有病率は年齢とともに増加します。40代で約5%、50代で15%、60代で25%、70代以上では35%に達するとの報告があります。
エコー検査での腱板断裂の確認
エコー検査は、腱板断裂の診断において有効な手段です。放射線を使用せず、リアルタイムで肩の内部を観察できるため、患者さんへの負担が少ないのが特徴です。
エコー画像での腱板断裂の特徴:
- 腱板の断裂部位の描出:正常な腱板はエコー画像で均一な組織として映りますが、断裂があるとその部分に不連続性や欠損が見られます。
- 液体の貯留:断裂部位に液体が溜まると、エコー画像で黒い領域として表示されます。
- 腱板の厚みの変化:部分的な断裂では、腱板の厚みが不均一になったり、薄くなったりすることがあります。
- 動的観察:肩を動かしながらエコー検査を行うことで、断裂部位の動きや変形をリアルタイムで確認できます。
エコー検査の利点
- リアルタイムでの観察:その場で腱板の状態を確認でき、医師が即座に説明することが可能です。
- 非侵襲的で安全:放射線を使用せず、身体への負担が少ないため、繰り返し検査が可能です。
- 動的評価が可能:肩の動きに伴う腱板の状態を観察でき、症状の原因を詳しく調べることができます。
まとめ
肩の痛みや腕の上げづらさ、夜間の痛みなどの症状がある場合、早めに整形外科を受診することが重要です。
当院では、医師がエコー検査を用いて的確な診断を行い、適切な治療法をご提案いたします。
肩腱板断裂のエコー動画をこのページに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
肩の健康を守るためにも、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
腱板断裂
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人
瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)