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コラム

Column

2024年10月26日

筋肉と骨粗鬆症の密接な関係

こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

今回は『筋肉と骨粗鬆症』の関係について、最新研究を交えて、お話しさせていただこうと思います。
筋肉と骨は、私たちの体を支える重要な組織ですが、筋肉と骨は、別々の問題があるのでは と思ってはいないでしょうか?
最新の研究によると、これらの組織は単に並存しているだけでなく、互いに密接に影響し合っていることが明らかになっています。

骨格筋と骨の相互作用

骨格筋と骨は、発生学的に同じ性質の細胞から発生するといわれています。これらの組織は解剖学的にも機能的にも密接に関連しており、お互いに影響を与え合っているといわれています。

筋肉から骨への影響

  • 筋肉が分泌する因子(マイオカイン)が骨の成長と発達に影響を与えます。
  • 筋力トレーニングによる機械的刺激が骨密度の増加を促進します。

骨から筋肉への影響

  • 骨が分泌する因子が筋肉の強度と量に影響を与えます。
  • 骨密度の低下は筋肉の萎縮と機能低下につながる可能性があります。

新しい概念:オステオサルコペニア

オステオサルコペニアとは、骨粗鬆症とサルコペニア(筋肉量と筋力の低下)が同時に存在する状態を指します。この状態は高齢者に多く見られ、以下のような特徴があります:

  • 骨密度と骨格筋量の減少
  • 身体機能の低下
  • 転倒と骨折のリスク増加
  • 入院リスクの上昇
  • 生活の質の低下

研究によると、サルコペニアのある患者が骨粗鬆症を発症するリスクは、健康な個人の2倍以上になることが示されています。

筋肉と骨粗鬆症の関連性

最新の研究では、筋肉量と骨密度の間に強い相関関係があることが明らかになっています:

  1. 四肢骨格筋量指数(ASMI)と腰椎骨密度の関係:
    • 骨格筋量と腰椎骨密度には有意な正の相関があります。
    • この相関は男女両方で観察されています。
    筋肉量が低下すると骨密度も低下する可能性があるということになります。
  2. 筋肉量と骨粗鬆症のリスク:
    • 相対的な四肢骨格筋量が1単位増加すると、骨粗鬆症のリスクが36%減少することが示されています。
  3. 縦断的研究の結果:
    • 米国と日本の大規模コホート研究では、筋肉量の変化率と骨密度の変化率に正の相関が見られました。
    • この相関は特に女性で強く、日本のコホートでより顕著でした。
    →特に日本人女性は、筋肉量が変化すると骨密度も変化しやすいということになります。

    ※コホート(cohort)とは、共通した性質を持つ集団や仲間のグループを指す言葉

予防と治療アプローチ

筋肉と骨の健康を同時に改善することが、骨粗鬆症の予防と治療に効果的であることが示唆されています:

  1. 運動療法:
    • 適切な運動は骨の強度を高め、成長因子の血中濃度を上昇させます。
    • 筋肉から生理活性物質の分泌を促進し、骨のリモデリングに影響を与えます。
  2. 栄養介入:
    • インスリン抵抗性と骨密度の関係に注目が集まっています。
    • 適切な栄養摂取が筋肉と骨の健康に重要です。
  3. 早期介入の重要性:
    • 40歳代から50歳代での予防的介入が、将来の骨粗鬆症リスクを低減する可能性があります。

まとめ

今回は『筋肉と骨粗鬆症』の関係について、解説をさせていただきました。
骨粗鬆症は骨の問題であり、筋肉とは関わりがないのでは?と思っていなかったでしょうか。
筋肉と骨の健康は密接に関連しており、一方の衰えが他方にも影響を及ぼします。
骨粗鬆症の予防と治療には、筋肉量と骨密度の両方に注目したアプローチが効果的です。
適切な運動と栄養摂取を通じて、筋肉と骨の健康を同時に維持・改善することが、健康的な高齢期を過ごすための鍵となります。
骨粗鬆症については、別のコラムも記載しております。併せて読んでみてください。

また、今回の記事を読んで、骨粗鬆症の検査を一度してみたい、自分の骨密度が気になるなどの悩みを持たれている方は、一度、当クリニックで受診してみてください。



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JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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