コラム
Column
夏のぎっくり腰は『隠れ脱水』が原因?汗をかく季節の腰痛対策

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
「ぎっくり腰」というと、重い物を持ち上げた時など、冬に多いイメージがありませんか?しかし、実は夏もぎっくり腰が起こりやすい季節です。くしゃみをした瞬間、顔を洗おうと屈んだ瞬間などに、突然「グキッ!」という衝撃と共に激痛が走る…。今回は、夏に潜むぎっくり腰のリスクと、その対策について整形外科が解説します。
なぜ夏にぎっくり腰?汗と筋肉の関係
ぎっくり腰(急性腰痛症)は、腰の筋肉や関節、椎間板などに急激な負荷がかかることで起こる炎症や損傷の総称です。夏特有の原因が、ぎっくり腰のリスクを高めています。
1. 隠れ脱水による筋肉の機能低下
夏は汗を大量にかくため、自覚がないまま体内の水分が失われる「隠れ脱水」に陥りがちです。筋肉の約75%は水分で構成されており、水分が不足すると筋肉は硬く、伸縮性を失ってしまいます。柔軟性を失った腰の筋肉は、ちょっとした動きでも負荷に耐えきれず、損傷しやすくなるのです。
2. 冷房による血行不良
屋外の暑さと室内の冷房による急激な温度差は、自律神経のバランスを乱し、全身の血行を悪化させます。腰回りの血行が悪くなると、筋肉は硬直し、疲労物質も溜まりやすくなります。この状態で急に体を動かすことが、ぎっくり腰の引き金になることがあります。
3. 夏の疲労の蓄積
寝苦しい夜が続くことによる睡眠不足や、夏バテによる食欲不振は、体全体の回復力を低下させます。疲労が蓄積した体は、筋肉の緊張を招き、腰への負担をうまく分散させることができなくなってしまいます。
今日からできる!夏の腰痛セルフケア
ぎっくり腰を予防するためには、夏の生活習慣を見直すことが大切です。
1. こまめな水分補給
- のどが渇いたと感じる前に、意識的に水分を摂る習慣をつけましょう。
- 一度にがぶ飲みするのではなく、コップ1杯程度の量を、1〜2時間おきにこまめに飲むのが効果的です。スポーツドリンクなどで、汗で失われたミネラルも補給しましょう。
2. 体を冷やさない工夫
- 冷房の効いた室内では、カーディガンを羽織る、腹巻きやブランケットを使うなどして、腰回りを冷やさないようにしましょう。
- シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
3. 無理のない範囲でのストレッチ
- 長時間同じ姿勢でいた後などは、ゆっくりと腰を伸ばすストレッチが有効です。
- 椅子に座った姿勢で、ゆっくりと背中を丸めるストレッチは、腰への負担が少なくおすすめです。
当院での専門的な治療
激しい痛みで動けない、痛みが数日経っても改善しない場合は、自己判断せず、専門医の診察を受けてください。
- 正確な原因の診断:レントゲンやMRI、エコーなどの画像検査を用いて、単なる筋・筋膜性の腰痛なのか、椎間板ヘルニアや圧迫骨折など他の疾患が隠れていないかを正確に診断します。
- 痛みを和らげる治療:痛みの原因となっている神経や関節に対して、エコーガイド下に直接注射を行うブロック注射やハイドロリリースを行い、つらい痛みを迅速に緩和します。
- 理学療法による再発予防:理学療法士が、患者さん一人ひとりの体の状態に合わせて、腹筋や背筋のバランスを整える運動療法や、正しい体の使い方を指導し、再発しにくい体づくりをサポートします。
こんなぎっくり腰はすぐ病院へ
ぎっくり腰だと思っていても、以下のような症状を伴う場合は、重篤な病気の可能性も考えられます。すぐに医療機関を受診してください。
- 足にしびれや麻痺がある、力が入らない
- 排尿・排便の異常(尿が出にくい、便秘など)がある
- 安静にしていても痛みが全く軽くならない
まとめ
夏のぎっくり腰は、「水分不足」と「冷え」が大きな原因です。こまめな水分補給と体を冷やさない工夫で、つらい腰痛を予防しましょう。そして、万が一発症してしまった場合は、無理せず専門医にご相談ください。
急な腰の痛みでお困りの方は、我慢せずに一度お気軽に当院へご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)