コラム
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【動画で安心】寝違えた!首が回らない!そんな朝に、絶対に首を直接ひねってはいけない理由と、安全な『肩甲骨“回し”』応急処置

こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
目が覚めた瞬間、首に走る激痛…。
顔を洗おうとうつむけない、横を向こうとすると激痛が走る、まさに「首が回らない」状態。
痛くて、不安で、どうしていいか分からず、つい痛い部分を無理に伸ばしたり、ぐりぐりと揉んだりしていませんか?
お待ちください。まずは深呼吸をして、落ち着いてください。
痛くて不安な気持ちは、本当によく分かります。しかし、そんな時に絶対にやってはいけないことがあります。それは、痛い首を無理に動かしたり、直接ストレッチしたりすることです。焦って動かすと、症状を悪化させ、回復を長引かせてしまう危険性があります。
今回は、そんなパニック状態のあなたを冷静に導く、安全な応急処置法を的確にお伝えします。
なぜ、寝違えた首を直接ストレッチしてはいけないのか?
「寝違え」の正体は、多くの場合、睡眠中の不自然な姿勢などによって起こる、首周りの筋肉の微細な断裂や炎症です。いわば「首の筋肉の軽い肉離れ」のような状態。
もしあなたが足首を捻挫した時、痛い靭帯を無理やり引き伸ばすようなストレッチはしませんよね?それと同じで、炎症を起こしている首の筋肉を直接伸ばしてしまうと、傷口をさらに広げてしまうことになるのです。良かれと思ってやったことが、回復を遅らせる原因になってしまいます。
安全な応急処置は「首から遠い場所」を動かすこと
では、どうすればいいのか。答えは、痛みの中心である首から遠い「肩甲骨」を、そっと動かしてあげることです。
首と肩の筋肉は、肩甲骨と密接につながっています。そのため、肩甲骨を優しく動かすことで、直接的な負担をかけずに、間接的に首周りのガチガチに固まった筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することができるのです。
【動画で実践】安全な『肩甲骨“回し”』応急処置
以下の動きを、鏡を見ながら、絶対に無理のない、痛みの出ない範囲で、ゆっくりと試してみてください。首はできるだけ動かさず、肩甲骨だけを動かす意識が大切です。
1. 超・ゆっくり肩の上げ下げ(5回)
- 楽な姿勢で座るか、立ちます。
- 息を吸いながら、両肩を「これ以上は痛い」と感じる手前まで、本当にゆっくりとすくめるように引き上げます。
- 息を吐きながら、ストンと力を抜くように肩を下ろします。
2. ごく軽い肩甲骨回し(前回し・後回し 各5回)
- ひじを軽く曲げ、肩を支点にして、後ろから前に向かって、ごく小さな円を描くようにゆっくりと回します。
- 首に痛みが出ないことを確認しながら、今度は前から後ろに向かって、同じように小さく、ゆっくりと回します。
【最重要注意点】
少しでも首に痛みや違和感を感じたら、すぐに中止してください。目的はあくまで「固まった周辺の筋肉を、そっと動かす」ことです。
当院での治療法
セルフケアで改善しない、つらい寝違えでお困りの場合は、ご相談ください。当院では、痛みの根本原因にアプローチするための専門的な治療を行っています。
- エコーガイド下ハイドロリリース
超音波(エコー)で首の状態をリアルタイムに確認しながら、癒着をしている筋肉や神経に対して「ハイドロリリース」を行います。原因組織へ正確にアプローチし、痛みの改善を図ります。 - 専門的な理学療法とセルフケア指導
経験豊富な理学療法士が、一人ひとりの状態に合わせたリハビリテーションを実施します。また、再発予防のためにご自宅でできる効果的なセルフエクササイズや、正しい姿勢についても丁寧に指導します。
応急処置の後はどうする?
- 安静第一: 痛みを引き起こす動きは、できるだけ避けましょう。
- 冷やす?温める?: 痛みが強く、熱を持っているような感じ(急性期)であれば、タオルで包んだ保冷剤などで15分ほど軽く冷やすのが有効です。数日経って痛みが和らいできたら、今度は蒸しタオルなどで温めると血行が良くなり、回復を助けます。
- すぐに病院へ行くべきサイン: 以下の症状がある場合は、単なる寝違えではない可能性も。すぐに整形外科を受診してください。
- 痛みがどんどん強くなる、数日経っても全く改善しない
- 腕や手にしびれや力が入らない感じがある
- 発熱やめまい、吐き気を伴う
まとめ
突然の寝違えは、誰にでも起こりうるアクシデントです。一番大切なのは、パニックにならず、正しい知識で安全に対処すること。痛い首を直接ひねらず、まずは肩甲骨をそっと動かす応急処置を試してみてください。そして、不安が残る場合や症状が長引く場合は、決して我慢せず専門医を頼ってください。
痛みが長引く場合や、どうしていいか不安な時は、我慢せずに当院へご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)