コラム
Column
「プロテインを飲んでも筋肉がつかない?」意外な理由とその対策
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
こんな悩みはありませんか?
- 「健康のためにプロテインを飲み始めたけれど、変化を感じない」
- 「年のせいか、腕や足が細くなってきた気がする」
- 「階段の上り下りで、すぐに疲れてしまう」
「筋肉をつけるにはタンパク質(プロテイン)」というのは常識になりつつあります。
しかし、40代・50代の方の中に、「飲んでいるのに筋肉がつかない」「むしろ太ってしまった」という方が少なくありません。

実は、大人の筋肉づくりには、若い頃とは違う「あるスイッチ」が必要なのです。
原因解説:年齢とともに「筋肉の感度」が鈍くなる
私たちの筋肉は、タンパク質を食べると「よし、筋肉を作ろう!」という反応(同化反応)を起こします。
しかし、加齢とともにこの反応が鈍くなってしまう現象が起きます。これを専門用語で「同化抵抗性(アナボリック・レジスタンス)」と言います。
つまり、若い頃と同じ量のお肉やお魚を食べても、体は「材料が来た!」と気づきにくくなっているのです。
この「鈍感になった筋肉」を目覚めさせる最も効果的な方法が「筋トレ(レジスタンス運動)」です。

運動による筋肉への物理的な刺激があって初めて、筋肉が効率よくタンパク質を取り込むことができます。
セルフチェック:あなたの筋肉は「栄養失調」かも?
簡単なチェックで、筋肉の状態を確認してみましょう。
- 片足立ちで靴下が履けない
- 重い荷物を持つと、その後数日疲れが取れない
- 食事はおにぎりやパンだけで済ませることが多い
- 運動は「ウォーキングだけ」で、筋トレはしていない
特に「ウォーキングはしているから大丈夫」と思っている方は要注意。
ウォーキングなどの有酸素運動も健康維持には重要ですが、筋肉を太くする効果はレジスタンス運動と比較して限定的です。プロテインを飲んでも筋肉合成のスイッチが十分に入らないことがあります。
解決策:かけるのは「負荷」、摂るのは「継続的なタンパク質」
1. 「ちょっときつい」負荷をかける
筋肉を目覚めさせるには、「いつもより強い力」が必要です。
スクワットやかかと上げなど、自分の体重を使った運動で構いません。「あ、筋肉を使っているな」と感じる程度の強さで、10回×3セット行うのが目安です。

2. 運動の前後でタンパク質をしっかり摂る
運動の前後で筋肉はタンパク質を求めています。運動の前後3-4時間の範囲でタンパク質豊富な食事を摂ることで、効率よく筋肉の合成を促すことができます。
「運動直後30分以内」という厳密なタイミングにこだわる必要はありません。むしろ重要なのは、1日の総タンパク質摂取量(体重1kgあたり1.0-1.2g以上)と、定期的なレジスタンス運動の継続です。

例えば、体重60kgの方であれば、1日に60-72g以上のタンパク質が必要となります。これを3食に分けて摂取することで、筋肉の合成を効果的にサポートできます。
当院での治療について
桃谷うすい整形外科では、単に「運動しましょう」と言うだけでなく、「どの筋肉が弱っているか」を医学的に評価します。
理学療法士が、あなたの筋力レベルに合わせた無理のないトレーニング(リハビリ)を指導。
同時に、管理栄養士が「今の食事にあと何を足せばいいか」を具体的にアドバイスし、将来の寝たきり(サルコペニア)を未然に防ぎます。
要約まとめ
- 飲むだけではつかない:大人の筋肉は「同化抵抗性」により、ただ食べるだけでは合成されません。
- スイッチは筋トレ:筋肉に負荷をかけることで初めて、タンパク質を受け入れる準備が整います。
- 運動×継続的摂取:運動前後3-4時間でのタンパク質摂取と、1日の総タンパク質量の確保が、年齢に負けない筋肉を作る最強のルールです。
注意事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
- 心疾患や整形外科的疾患がある方は、運動開始前に必ず医師にご相談ください
- 急激な運動開始は避け、徐々に強度を上げていきましょう
- 腎機能に問題がある方は、高タンパク食について医師と相談が必要です
具体的な運動プログラムや栄養指導については、当院の医師や理学療法士にご相談ください。
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ストレッチ方法
参考文献
- Burd, N. A., Gorissen, S. H., & Van Loon, L. J. C. (2013). Anabolic Resistance of Muscle Protein Synthesis with Aging. Exercise and Sport Sciences Reviews, 41(3), 169-173.
- Breen, L., & Phillips, S. M. (2011). Skeletal muscle protein metabolism in the elderly: Interventions to counteract the ‘anabolic resistance’ of ageing. Nutrition & Metabolism, 8:68.
- Aragon, A. A., & Schoenfeld, B. J. (2013). Nutrient timing revisited: is there a post-exercise anabolic window? Journal of the International Society of Sports Nutrition, 10:5.
- 厚生労働省 (2020). 日本人の食事摂取基準(2020年版). 第一出版.
- 日本老年医学会 (2017). サルコペニア診療ガイドライン 2017年版. ライフサイエンス出版.
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)