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コラム

Column

2025年4月20日

【膝が痛いのは変形だけじゃない?】実は多い“滑膜炎”が原因の膝関節痛とは

滑膜炎

こんにちは。桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

皆様、「膝が変形しているから痛いんだろう」と思っていませんか?

確かに、加齢やO脚などによる変形性膝関節症は膝の痛みの原因の一つです。しかし実際には、膝の痛みの多くは“滑膜炎(かつまくえん)”によるものであることが多くの研究からわかってきています。

今回は、あまり知られていない「滑膜炎」が膝痛の原因となる仕組みについて、わかりやすく解説します。

滑膜炎とは?

滑膜炎とは、関節を包む滑膜(かつまく)という膜に炎症が起こる状態です。

滑膜は関節液(潤滑油のようなもの)を分泌し、関節の動きを滑らかにする大切な組織ですが、この滑膜が何らかの刺激によって炎症を起こすことで、腫れ・熱感・痛みが生じます。

滑膜炎

膝の変形=痛みではありません

多くの方が「膝が変形している=痛い」と思いがちですが、実際には、変形の程度と痛みの強さには必ずしも相関がありません

変形が軽くても強い痛みを訴える方がいる一方で、変形が進んでいても痛みが少ない方もいらっしゃいます。その理由の一つが「滑膜炎」です。

つまり、痛みの原因は“形”ではなく“炎症”ということが多いのです。

なぜ滑膜炎が起こるのか?

滑膜炎の原因はひとつではなく、複数の要素が関係しています。

  • 半月板損傷や軟骨損傷:関節のクッションである半月板や軟骨が傷つくことで、滑膜に破片や摩耗物質が触れ、炎症を引き起こします。
  • 関節の使いすぎや負担の集中:スポーツや長時間の歩行などにより、滑膜が物理的な刺激を受けることがあります。
  • 滑膜の血流障害:加齢や筋力低下によって膝関節周囲の血流が悪くなることで、滑膜の代謝が低下し、炎症を起こしやすくなります。
  • 関節内の不安定性:筋力低下や靭帯のゆるみなどにより、関節が安定せず、滑膜へのストレスが増加します。

当院では、こうした複合的な要因をふまえて評価を行っています。

滑膜炎の症状とは?

滑膜炎が起こると、以下のような症状が現れます:

  • 膝が腫れる、熱をもつ
  • 関節がこわばる、動かしづらい
  • 歩行や階段で膝がズキッと痛む
  • 安静にしていてもジンジンとした痛みがある

「変形が進んでいないのに痛い」「レントゲンでは異常がない」と言われた方も、滑膜炎が原因かもしれません

当院での評価と治療法

当院では、滑膜炎の有無を以下の方法で評価します:

  • 超音波(エコー)検査:滑膜炎や関節液の貯留をリアルタイムで観察できます。
  • X線やMRI:半月板や軟骨の状態をあわせて確認します。
  • 理学所見:関節の腫れ・可動域・圧痛などを丁寧に評価します。
関節液の貯留
関節液の貯留の評価方法(エコー)

治療は以下の方法を組み合わせて行います:

  • 内服薬・外用薬:炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など
  • 関節内注射:必要に応じてヒアルロン酸やステロイドの注射を行います
  • 超音波ガイド下注射:炎症部位を的確にとらえて、安全に注射を行います
  • リハビリテーション:関節に負担をかけにくい身体づくりをサポートします

膝の痛みは“滑膜炎”かもしれません。まずはご相談ください

膝の痛みが「変形だけの問題ではない」こと、そして滑膜炎が痛みの中心であることが多いという点は、まだ十分に知られていません。

もし「膝の変形が軽いのに強い痛みがある」「レントゲンでは異常がないのに痛い」と感じている方は、滑膜炎の可能性も視野に入れてみてください。

当院では、超音波を用いた評価や治療も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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