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コラム

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2025年7月25日

【整形外科が解説】70代からの「老け見え」は背中から?丸い背中(円背)を予防・改善する簡単“肩甲骨”体操

こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

「最近、周りの人から『背中が丸くなったね』と言われるようになった」「若い頃より身長が縮んだ気がする」「洋服がなんとなく似合わなくなった」…。70代を迎え、このようなお悩みを感じてはいませんか?その原因は、ご自身では気づきにくい「背中の曲がり」にあるかもしれません。背中が丸まってしまう状態を専門的には「円背(えんぱい)」と呼びますが、これは単に見た目の問題だけではなく、体の様々な不調につながるサインでもあります。しかし、「もう年だから」と諦める必要はありません。今回は、丸い背中の原因と、ご自宅で今日から始められる簡単な予防・改善法について、専門医の視点から分かりやすく解説します。

なぜ背中は丸くなるの?70代に多い3つの原因

年齢とともに背中が丸くなってしまうのは、決して特別なことではありません。その背景には、加齢に伴ういくつかの原因が隠されています。

原因1:体を支える「筋力」の低下

私たちの体は、背骨(脊椎)を中心に、背中側の「背筋」と、お腹側の「腹筋」が前後から引っ張り合うことで、まっすぐな姿勢を保っています。しかし、年齢とともにこれらの筋力が低下すると、重い頭を支えきれなくなり、体が前かがみになってしまいます。これが、背中が丸くなる最も一般的な原因の一つです。

原因2:長年の「生活習慣」の積み重ね

若い頃からのデスクワーク、畑仕事での前かがみ姿勢、あるいは近年増えているスマートフォンやタブレットの長時間利用など、無意識のうちに猫背の姿勢を続けてこなかったでしょうか。こうした日々の習慣が何十年と積み重なることで、背骨のカーブが崩れ、丸い背中が定着してしまうのです。

原因3:気づかぬうちに骨折?「骨粗しょう症」の影響

特に注意が必要なのが、骨がもろくなる「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」が原因の円背です。骨粗しょう症になると、転んだり、重いものを持ち上げたりといった、ささいなきっかけで背骨が押しつぶされるように骨折(圧迫骨折)してしまうことがあります。痛みを感じないことも多く、「いつの間にか骨折」しているケースも少なくありません。圧迫骨折が複数箇所で起こると、背中が大きく曲がってしまう原因となります。

自宅でできる!丸い背中をリセットする「肩甲骨」体操

背中の曲がりを改善し、しなやかな背骨を保つ鍵は「肩甲骨」にあります。肩甲骨周りの筋肉をほぐして動かすことで、自然と胸が開き、美しい姿勢を取り戻しやすくなります。痛みがある場合は無理をせず、気持ち良いと感じる範囲で行いましょう。

椅子に座ってできる簡単ストレッチ

  • 肩の上げ下げ運動:椅子に座り、両肩をぐっと耳に近づけるように引き上げ、5秒キープした後にストンと力を抜きます。これを5回繰り返しましょう。肩周りの緊張がほぐれます。
  • 肩甲骨を寄せる運動:両肘を90度に曲げ、体の横につけます。そこから、背中側で左右の肩甲骨をぎゅーっと引き寄せるように胸を開き、5秒キープ。ゆっくりと元の位置に戻します。10回繰り返しましょう。
  • 万歳(ばんざい)運動:両腕をゆっくりと万歳するように真上に上げていきます。背筋を伸ばし、肩甲骨が引き上げられるのを感じながら5秒キープ。ゆっくり下ろします。これも10回行いましょう。
肩甲骨運動

日常生活で気をつけたい2つのこと

  • 時々、意識して胸を張る:テレビを見ている時や、バスを待っている時など、1時間に1回でも良いので、意識的にすっと胸を張る習慣をつけましょう。
  • 長時間、同じ姿勢でいない:30分以上同じ姿勢でいたら、一度立ち上がって少し歩いたり、軽く伸びをしたりして、体をリセットすることが大切です。

放置は危険?このような症状は整形外科へ

セルフケアは予防や軽い症状の改善に有効ですが、以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに専門医に相談することが重要です。

  • 背中や腰に強い痛みが続く場合
  • 転んだ後など、急に背中が曲がった、身長が縮んだと感じる場合
  • 足にしびれや麻痺が出て、歩きにくくなった場合

まとめ

70代からの丸い背中は、見た目の問題だけでなく、呼吸が浅くなったり、内臓が圧迫されたりする原因にもなり得ます。しかし、日々のちょっとした運動や意識で、その進行を予防し、改善することは十分に可能です。特に肩甲骨を動かす習慣は、しなやかで若々しい姿勢を保つための大切な一歩です。ご紹介した体操を、ぜひ今日から生活に取り入れてみてください。

背中の曲がりや痛みでお悩みの方は、我慢せずに一度お気軽に当院へご相談ください。

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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