小児上腕骨外側顆骨折
小児上腕骨外側顆骨折
小児上腕骨外側顆骨折とは
上腕骨外側顆骨折は小児肘周辺骨折の12-20%を占め、上腕骨顆上骨折についで多いとされています。好発年齢は6歳前後とされています。
外側顆骨折は関節内骨折というところが重要であり、解剖学的な整復が求められます。子供の骨折は保存療法となることが多いですが、この骨折は手術になる可能性が高いと言う点で例外です。(関節内骨折であることから、関節液の流入により偽関節が生じやすいと言う理由から転位が2mm以上あれば手術治療を検討します)
不適切な初期治療を行なった場合、偽関節や変形治癒がしばしば問題となります。
小児上腕骨外側顆骨折の原因
子供の肘の怪我の多くは、家具や遊具からの転落により受傷します。
親の目に触れておらず、詳細は不明な事が多いです。
小児上腕骨外側顆骨折の症状
「肘が痛い」「肘が腫れている」「肘を動かそうとしない」などの訴えがあります。
具体的には運動時痛、圧痛、腫脹です。
小児上腕骨外側顆骨折の検査
一般的には単純X線で骨折部の転位を評価します。
小児上腕骨外側顆骨折の治療
骨折部の転位(ズレ)が少しでもあれば、偽関節や変形を残しやすいと言われていますので、手術となることが多い骨折です。
医師より
本骨折では、初期治療を謝った場合、骨折部はしばしば偽関節となり、肘関節外側部の成長が障害されて外反変形をきたします。肘の怪我の場合、その後偽関節や外反変形に移行してしまうこともあります。以上から、肘関節の怪我に関しては出来るだけ早く受診していただければと思います。
図:上腕骨外側顆骨折後偽関節の症例
参考文献
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