石灰沈着性腱炎
石灰沈着性腱炎
石灰沈着性腱炎とは
肩関節の腱板にリン酸カルシウム(石灰)の結晶が沈着して、急性 or 慢性の炎症を引き起こす肩関節周囲炎の一つです。肩関節を動かせないほどの強い痛みを訴える急性炎症例が多いが、慢性炎症や強い拘縮に至る症例もあります。
30-50歳代にかけて多く、女性の割合が比較的多いです。
石灰沈着性腱炎の原因
原因は明らかにされていません。
発生機序は、石灰化による機械的刺激、腱内にある石灰化巣の拡大による内圧上昇が急性症状の要因となります。
石灰沈着性腱炎の症状
急性期では、安静時、運動時ともに、肩を動かせないほどの激しい痛みを自覚します。
肩から首や上腕にかけて広がる痛みのため、夜眠れないと訴える方が多いです。
この急性症状は無治療の場合約2週間持続すると言われています。
一方、慢性期の症状は、安静時の痛みは軽く、腱峰下インピンジメントによる運動時痛が主体となります。
罹患期間が長期に及ぶ場合、肩関節の拘縮の症状が出現します。
石灰沈着性腱炎の検査
上記の特徴的な症状に加えて、単純レントゲン検査で肩関節内に石灰化を同定します。
また、超音波検査で石灰の部位を正確に把握します。
図:レントゲンにて肩関節に石灰沈着を認める
図:保存治療開始1ヶ月後、石灰は消失している
出典:名越 充ら : 肩石灰性腱炎の診断と治療 MB Orthop . 25(11) : 67-72. 2012.
石灰沈着性腱炎の治療
急性期の治療はステロイドの局所注射と消炎鎮痛薬の内服が基本になります。
しかし、最も効果的な方法は石灰の穿刺して砕き、吸引する事です。超音波を使用しながら行います。
慢性期にはステロイドの局所注射と消炎鎮痛薬の内服後、症状が残存する場合は体外衝撃波で石灰を縮小させることを試みたり、石灰の外科的摘出術を勧めることもあります。
参考文献
名越 充ら : 肩石灰性腱炎の診断と治療 MB Orthop . 25(11) : 67-72. 2012.
Bosworth, B., et a1. : Examination of the should- er for calcium deposits. J Bone Joint Surg. 23 i 567-577, 1941.
Depalma, A. F., et al,:Long-term study of shoulder joints afflcted with and treated for calcific tendonitis. Clin Orthop. 20 : 61-72, 1961.