ドケルバン病
ドケルバン病
ドケルバン病とは
手関節の長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が通る部屋(第一背側区画)が狭いことによって起きる腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)の事を指します。
発症は50歳前後と、妊娠出産時期の女性に多い傾向にあります。
出典:水島衣美 ドケルバン病 整形外科看護 Vol.25 No.7, 2020.
ドケルバン病の原因
手の酷使などの慢性機械刺激が本疾患の原因と考えられており、日常的に手を使う中年の女性に多く、男女比は1:7と報告されています。
ドケルバン病の症状
手を動かした時に手関節橈側に痛みがあります。物を掴む、タオルを絞るなどの動作が困難になります。
ドケルバン病の検査
診察にて患者さんの母指を握ったまま、手関節を尺屈させる方向に牽引すると痛みが出る(フィンケルスタインテスト: 図)が陽性となります。
出典:水島衣美 ドケルバン病 整形外科看護 Vol.25 No.7, 2020
ドケルバン病の治療
保存治療では安静や装具での固定、腱が通る腱鞘内へのステロイド治療があります。
保存治療で治らない時は、手術治療を行います。
局所麻酔を行って腱鞘を切開し、腱が自由に動くようにします。
参考文献
Faithfull DK, Lamb DW. De Quervain’s disease – A clinical review. Hand. 3:23–30,1971.
Finkelstein,H.: Stenosing tendovaginitis at the radial styloid process. J. Bone & Joint Surg.12: 509-540,1930.
千野 博之 : ドケルバン病 整形外科看護 Vol.20 No.12, 2015.
中島 裕子ら : 狭窄性腱鞘炎 –ドケルバン病・弾発指- MB Orthp. 29 (11) : 37-44. 2016