コラム
Column
湿布の種類と使い分け—冷湿布と温湿布、どちらを選ぶ?
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
この記事でわかること
- 冷湿布と温湿布の本当の違い
- 市販の湿布に含まれる消炎鎮痛成分の種類
- 湿布を使うときの注意点
こんな悩みはありませんか?
- 「冷湿布と温湿布、どちらを選べばいい?」
- 「急性期と慢性期で湿布の種類が違うと聞いた」
- 「湿布を貼っても効かない気がする」
- 「市販と病院で処方される湿布、何が違う?」
- 「湿布は実際に冷やしたり温めたりしているの?」
湿布には冷湿布と温湿布があります。どちらを選ぶかは、痛みの時期(急性期か慢性期か)によって異なります。また、湿布の「冷たい」「温かい」は皮膚の感覚によるもので、患部の温度を実際に大きく変えるわけではありません。このコラムでは、湿布の種類と正しい使い分けについて解説します。
湿布の種類とは?
冷湿布と温湿布の違い
湿布には、冷湿布(冷感タイプ)と温湿布(温感タイプ)があります。
- 冷湿布:ハッカ油やメントールなど、清涼感を与える成分を含む。貼ると「ひんやり」とした感覚がある
- 温湿布:唐辛子エキス(カプサイシン)など、温感を与える成分を含む。貼ると「ぽかぽか」とした感覚がある
実際に冷やしたり温めたりしているわけではない
冷湿布も温湿布も、患部の温度を実際に大きく変えるわけではありません。皮膚の感覚(冷感・温感)を刺激することで、脳が痛みを感じにくくなる効果があります。

実際に冷やすには氷嚢やアイスノン、実際に温めるには入浴やカイロが有効です。湿布は主に消炎鎮痛成分による痛みや炎症の軽減が期待されます。

消炎鎮痛剤の有無
湿布には、消炎鎮痛成分を含むものと含まないものがあります。
- 消炎鎮痛剤入り:ケトプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、フェルビナクなど。炎症を抑え、痛みを和らげる。医師が処方する湿布の多くはこのタイプ
- 鎮痛のみ・冷感・温感のみ:消炎作用が弱い、またはないもの。市販の一部の商品
痛みや炎症を抑えたい場合は、消炎鎮痛剤入りの湿布を選ぶことが重要です。
この症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
セルフチェック:どちらの湿布が適しているか
- 捻挫、打撲、ケガをした直後(2〜3日以内)→ 冷湿布
- 患部が腫れている、熱を持っている → 冷湿布
- 痛みが始まってから1週間以上経過
- 腫れや熱感は落ち着いたが、こわばりや鈍い痛みが残っている → 温湿布
- 慢性的な肩こり、腰痛 → 温湿布
判断の目安:腫れて熱い→冷湿布、熱感がなくこわばっている→温湿布。

湿布の正しい使い分け
急性期(受傷直後〜2〜3日)→ 冷湿布
炎症が起きている急性期は、冷湿布が適しています。
- 清涼感で痛みを感じにくくする
- 消炎鎮痛剤入りであれば、炎症を抑える効果も期待
注意:冷湿布だけでは実際の冷却効果は限定的。腫れが強い場合は、氷嚢やアイスノンで冷やすことがより効果的
慢性期(炎症が落ち着いた後)→ 温湿布
こわばりや鈍い痛みが主体の慢性期は、温湿布が適しています。
- 温感で血行が良くなったような感覚になり、こわばりが和らぐことがある
- 消炎鎮痛剤入りであれば、痛みの軽減も期待
- 慢性的な肩こり、腰痛、関節のこわばりに用いられることが多い
貼り方のポイント
- 清潔な皮膚に貼る:汗や汚れは拭いてから
- 毎日貼り替える:一般的に1日1〜2回。製品の説明を確認
- かぶれたら中止:かゆみや赤みが出た場合は使用を中止し、医師に相談
- 傷口には貼らない:切り傷、擦り傷がある部位には使用しない
湿布の限界
湿布は対症療法です。痛みや炎症を和らげる効果は期待できますが、原因を治すわけではありません。痛みが続く場合、根本的な治療(リハビリ、注射、手術など)が必要になることがあります。
当院での治療について
当院では、湿布は保存療法の一環として処方することがあります。ただし、全ての治療の根底にあるものは理学療法士によるリハビリテーションを基にした運動療法です。
湿布で痛みを和らげつつ、運動療法で筋力や可動域を改善することが、根本的な改善につながることが多いです。
- 病態に応じた処方:急性期・慢性期、部位に応じて適切な湿布を提案
- 運動療法との組み合わせ:湿布だけに頼らず、リハビリで根本改善を目指す
「湿布を貼っても良くならない」という方も、痛みの原因を詳しく評価し、最適な治療をご提案します。

こんな症状があれば必ず受診を
以下のような場合は、湿布だけでなく医師の診察を受けてください
- 湿布を貼っても痛みが改善しない
- 腫れや痛みが強く、悪化している
- 湿布でかぶれた
- 痛みの原因を知りたい
注意事項
湿布のアレルギー
湿布の成分(特に消炎鎮痛剤や基剤)にかぶれることがあります。かゆみ、赤み、水ぶくれが出た場合は使用を中止し、医師に相談してください。
妊娠中・授乳中
湿布の種類によっては、妊娠中や授乳中の使用に注意が必要なものがあります。必ず医師や薬剤師に相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
具体的な治療方針については、当院の医師にご相談ください。
よくあるご質問
一般的に1日1〜2回の貼り替えが目安ですが、製品の説明書を確認してください。かぶれやすい方は貼る時間を短めにすることをおすすめします。
湿布は対症療法で、痛みを一時的に軽減するものです。痛みの原因そのものを治すためには、リハビリや適切な治療が必要です。
ケトプロフェン含有の湿布は光線過敏症を起こすことがあります。かぶれが出た場合は使用を中止し、医師にご相談ください。
まとめ
- 冷湿布:清涼感。急性期、腫れて熱い場合に。温湿布:温感。慢性期、こわばりに。
- 実際の温度変化は限定的:冷感・温感は皮膚の感覚。実際に冷やすには氷嚢、温めるには入浴が有効。
- 消炎鎮痛剤入りを選ぶ:痛みや炎症を抑えたい場合は、消炎鎮痛成分を含む湿布を。
- 判断の目安:腫れて熱い→冷湿布、熱感なくこわばり→温湿布。
- 湿布は対症療法:根本治療には運動療法などが必要。痛みが続く場合は受診を。
参考文献
- 日本整形外科学会. 変形性膝関節症診療ガイドライン. 改訂第3版. 2023.
- 日本薬学会. 外用鎮痛消炎剤の適正使用. くすりの情報.
本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。湿布の使い方については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。
記事監修:臼井俊方
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このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)