コラム
Column
「夜中に足がつる!」その原因、筋肉のバランスが崩れているかもしれません
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
こんな悩みはありませんか?
- 「寝ていると、突然ふくらはぎが激痛で目が覚める」
- 「運動中に足がつりやすく、思うように動けない」
- 「頻繁にこむら返りが起こり、睡眠の質が下がっている」
この「こむら返り」と言われる現象、癖になっているからと諦めていませんか?
実は、筋肉が勝手に縮んでしまう背景には、筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れている可能性があります。

原因解説:筋肉のスイッチのバランスが崩れている
筋肉は、脳からの指令で収縮(縮む)したり、弛緩(緩む)したりしています。

このスイッチの切り替えには、2つのミネラルが関わっています。
- カルシウム:筋肉を「縮めろ!」という指令を伝えます。
- マグネシウム:カルシウムの作用を阻害することで、筋肉の弛緩を促進します。
現代の食生活では、カルシウム(牛乳など)に比べて、マグネシウム(海藻・豆類・ナッツ)が不足しがちです。

マグネシウムが不足すると、カルシウムの作用を阻害する働きが弱まり、筋肉が過度に収縮しやすくなることがあります。
ただし、こむら返りの原因は多岐にわたり、マグネシウム不足だけが原因とは限りません。
こむら返りの主な原因
- 筋肉疲労:過度な運動や長時間の立ち仕事など
- 神経機能障害:加齢や基礎疾患による神経の機能低下
- 薬剤の副作用:一部の降圧薬、ステロイド、利尿薬など
- 基礎疾患:糖尿病、腎疾患、甲状腺機能異常、末梢動脈疾患など
- 脱水・電解質異常:水分不足やミネラルバランスの乱れ
- マグネシウム不足:食生活の偏りやストレスによる消費増加
セルフチェック:あなたの筋肉は「リラックス」できていますか?
- 豆腐、納豆、味噌汁などの大豆製品をあまり食べない
- 海藻類(わかめ、ひじき)を食べる機会が少ない
- コーヒーやお酒を毎日飲む(マグネシウムの排出を促すことがあります)
- ストレスが多い(ストレスに対抗するためにマグネシウムが消費されることがあります)
- 運動後や長時間の立ち仕事の後にこむら返りが起こりやすい
- 薬を複数服用している
これらに当てはまる方は、筋肉のバランスが崩れている可能性があります。
頻繁にこむら返りが起こる場合は、医師に相談することをおすすめします。
解決策:内と外からのアプローチ
「マグネシウム」を食事から摂取する
マグネシウムは食事から摂るのが基本です。
アーモンドやカシューナッツ、海藻類(わかめ、ひじき)、豆類(豆腐、納豆、味噌)、玄米などを積極的に取り入れましょう。

注意:マグネシウムサプリメントを服用する場合は、医師に相談してください。過剰摂取により下痢などの副作用が起こる可能性があります。また、大規模な研究では、高齢者の特発性こむら返りに対してマグネシウムサプリメントは効果がないことが示されています。
就寝前の「ふくらはぎストレッチ」
物理的に筋肉を伸ばしてあげることも重要です。
壁に手をついて、アキレス腱を伸ばすようにふくらはぎをじっくりストレッチしましょう。
「反動をつけずに、ゆっくりと筋肉を伸ばしながら息を吐き、20-30秒間保持」を左右2~3回繰り返すのがコツです。筋肉が伸びている感覚を感じながら、痛みのない範囲で行いましょう。
就寝前のストレッチは、55歳以上の成人でこむら返りの頻度を約35%減少させたという研究報告があります。毎晩続けることで、予防効果が期待できます。

適切な水分補給
脱水はこむら返りの原因の一つです。
特に運動後や暑い日には、適切な水分補給を心がけましょう。
ただし、一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに補給することが大切です。
当院での治療について
桃谷うすい整形外科では、頻繁に足がつる方に対して、単なる湿布処方で終わりにはしません。
「なぜこむら返りが起こるのか」を考え、超音波(エコー)を用いて筋肉の状態を詳細に評価し、神経機能、薬の飲み合わせ、基礎疾患なども総合的にチェックします。
必要に応じて栄養指導を行い、理学療法士が再発を防ぐための正しいストレッチや足裏のケアを指導します。
痛くて目が覚める夜にサヨナラしましょう。
こんな症状があれば必ず受診を
以下のような症状がある場合は、早めに医師に相談してください
- 週に数回以上、頻繁にこむら返りが起こる
- こむら返りにより日常生活に支障をきたしている
- 筋力低下や痺れを伴う
- 新しい薬を始めた後にこむら返りが悪化した
- 歩行時に足が痛くなり、休むと楽になる(間欠性跛行)
これらの症状は、重大な基礎疾患のサインかもしれません。
要約まとめ
- バランスが重要:筋肉を縮めるのはカルシウムですが、緩めるにはマグネシウムがカルシウムの作用を阻害することで弛緩を促進します。
- 原因は多岐にわたる:マグネシウム不足だけでなく、筋肉疲労、神経機能障害、薬剤、基礎疾患なども関連しています。
- ストレッチが最も効果的:就寝前のストレッチは科学的に効果が証明されています。食事からマグネシウムを摂取することも大切です。
- サプリメントの効果は限定的:高齢者の特発性こむら返りに対しては、マグネシウムサプリメントの効果は証明されていません。
- 頻繁に起こる場合は受診を:基礎疾患が隠れている可能性もあるため、医師に相談することをおすすめします。
注意事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療相談には代わりません。
- 腎機能に問題がある方は、マグネシウムサプリメントの使用について必ず医師にご相談ください
- 複数の薬を服用している方は、こむら返りが薬剤の副作用である可能性があります
- ストレッチは痛みのない範囲で行い、無理をしないようにしてください
具体的な治療方針については、当院の医師や理学療法士にご相談ください。
ストレッチ方法
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参考文献
- Garrison, S. R., Korownyk, C. S., Kolber, M. R., Allan, G. M., Musini, V. M., Sekhon, R. K., & Dugré, N. (2020). Magnesium for skeletal muscle cramps. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2020(9), CD009402.
- Hallegraeff, J. M., van der Schans, C. P., de Ruiter, R., & de Greef, M. H. (2012). Stretching before sleep reduces the frequency and severity of nocturnal leg cramps in older adults: a randomised trial. Journal of Physiotherapy, 58(1), 17-22.
- Allen, R. E., & Kirby, K. A. (2012). Nocturnal leg cramps. American Family Physician, 86(4), 350-355.
- Chandrasekaran, N. C., Sanchez, W. Y., Mohammed, Y. H., Grice, J. E., Roberts, M. S., & Barnard, R. T. (2016). Permeation of topically applied Magnesium ions through human skin is facilitated by hair follicles. Magnesium Research, 29(2), 35-42.
本コラムは最新の医学的エビデンスに基づいて作成しています。こむら返りの治療や予防については、個人差がありますので、気になる症状がある方は当院にご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)