コラム
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栄養をムダにしない『食べ合わせ』の魔法
こんにちは、桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
毎日頑張って食事に気を使っている私たちですが、実はその努力、「半分以上ムダになっている」としたらどう思いますか?
もしかすると、あなたの体の中で「栄養の宅配便」が迷子になっているのかもしれません。
こんな悩みはありませんか?
- 「健康のために高い野菜やサプリを買っているのに、効果を感じない」
- 「貧血気味でレバーを頑張って食べているけど、数値が良くならない」
- 「更年期に入ってから、何をしても疲れが取れにくい」
今回は、食べたものをしっかり自分の身にするための鍵、「バイオアベイラビリティ(吸収率)」と、今日からできる「魔法の食べ合わせ」についてお話しします。
「食べた量 = 体に届く量」ではありません
栄養学には「バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)」という言葉があります。
少し難しい言葉ですが、簡単に言うと「食べたもののうち、実際に体の中で使われる割合」のことです。

例えば、あなたが100mgの栄養素を口から食べたとします。
「よし、これで100mg分元気になった!」と思いたいところですが、実際には消化・吸収の過程で減ってしまい、血液に乗って細胞に届く頃には、50mgや30mg、あるいはそれ以下になってしまうことも珍しくありません。
つまり、「何を食べるか」と同じくらい、「どう食べるか(いかに効率よく届けるか)」が重要なのです。
特に消化機能や代謝が少しずつ変化してくる40代・50代からは、この「吸収率」を意識するかどうかで、数年後の元気と若々しさに大きな差がつきます。
今日からできる!相乗効果抜群の「ゴールデンペア」3選
吸収率を劇的にアップさせる方法は、実はとても簡単。
相性の良い食材同士を組み合わせる「フードシナジー(食べ合わせ)」を活用するだけです。
1. アンチエイジングの最強ペア:【トマト・人参】×【良質な油】
トマトのリコピンや人参のβ-カロテンは、強力な抗酸化作用を持ち、お肌のシミ・シワ予防の強い味方です。
しかし、これらは「脂溶性(油に溶ける性質)」のため、生のままノンオイルドレッシングで食べても、ほとんど吸収されずに排出されてしまいます。
おすすめの食べ方
- サラダには必ずオリーブオイルやアマニ油をかける
- 人参は油で炒める(きんぴらなど)
これだけで、吸収率は数倍に跳ね上がります。「油=太る」と極端に避けるのは、美容にとって逆効果なのです。
2. 貧血・疲れ知らずのペア:【ほうれん草・レバー】×【ビタミンC】
女性に多い貧血や、なんとなく続くダルさ。鉄分補給にとほうれん草や小松菜を食べる方も多いでしょう。
しかし、植物性の鉄分(非ヘム鉄)は非常に吸収されにくいのが難点です。ここで助っ人になるのがビタミンCです。
おすすめの食べ方
- ほうれん草サラダや焼き魚にレモンを絞る
- レバー炒めのデザートにイチゴやキウイを食べる
ビタミンCが鉄分を「吸収されやすい形」に変えてくれるため、無駄なくチャージできます。
3. 骨と筋肉のペア:【焼き魚】×【大根おろし】
和食の定番にも、理にかなった理由があります。
更年期以降、急激に低下する骨密度を守るには、カルシウムやタンパク質が必要です。大根に含まれる酵素(ジアスターゼ)は、魚のタンパク質の消化を助け、胃腸への負担を減らしながら栄養をしっかり取り込むサポートをしてくれます。
逆効果?!避けたほうがいい「NGな組み合わせ」
逆に、せっかくの栄養を邪魔してしまう組み合わせもあります。
代表的なのが「食事中や食直後の濃いコーヒー・緑茶」です。
これらに含まれる「タンニン」は、鉄分と結びついて吸収を妨げてしまいます。
貧血気味の方は、食後30分〜1時間はコーヒーを控え、ほうじ茶や麦茶にするのがおすすめです。

要約まとめ
- 吸収率(バイオアベイラビリティ)を意識:食べた量=効く量ではありません。「届ける」工夫が大切です。
- 油を味方につける:美容成分(リコピンなど)は、良質な油と一緒に摂ることで真価を発揮します。
- 酸味プラスで鉄分強化:鉄分豊富な食材には、レモンや果物のビタミンCを添えて吸収率をアップさせましょう。
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参考論文・資料
- Toutain, P. L., & Bousquet-Mélou, A. (2004). Bioavailability and its assessment. _Journal of Veterinary Pharmacology and Therapeutics_, 27(6), 455-466.
- Cao, X., Gibbs, S. T., Fang, L., Miller, H. A., Landowski, C. P., Shin, H. C., … & Amidon, G. L. (2006). Why is it challenging to predict intestinal drug absorption and oral bioavailability in human using rat model. _Pharmaceutical Research_, 23(8), 1675-1686.
- Shah, V. P., Midha, K. K., Dighe, S., McGilveray, I. J., Skelly, J. P., Yacobi, A., … & Viswanathan, C. T. (1992). Analytical methods validation: bioavailability, bioequivalence, and pharmacokinetic studies. _Journal of Pharmaceutical Sciences_, 81(3), 309-312.
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このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)