コラム
Column
夏場のゴルフやテニスで急増!肘の痛みの正体と自分でできるケア

こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
夏の青空の下で楽しむゴルフやテニス。しかし、楽しいはずのスポーツの後に、肘の外側や内側にズキッとした痛みを感じることはありませんか?それは「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」や「ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)」かもしれません。今回は、これらのスポーツ障害が夏に増える理由と、ご自身でできる応急処置や予防法について解説します。
なぜ夏に肘の痛みが?考えられる3つの原因
肘の痛みは、手首や指を動かす筋肉の付け根(肘の骨の部分)に、繰り返し負担がかかることで炎症が起きる「付着部炎」の一種です。スポーツだけでなく、日常生活の動作でも発症します。
1. 筋肉が温まっていない状態でのプレー
夏は気温が高いため、体が温まっていると錯覚しがちです。しかし、十分なウォーミングアップをせずに急に激しい運動を始めると、筋肉や腱はまだ硬いまま。その状態でボールを打つ衝撃が繰り返されると、肘の腱付着部に微細な損傷が蓄積し、炎症を引き起こしてしまいます。
2. 脱水による筋肉の柔軟性低下
汗を多くかく夏は、知らず知らずのうちに脱水傾向になりがちです。体内の水分が不足すると、筋肉の柔軟性が失われ、硬く、切れやすい状態になります。このようなコンディションでプレーを続けることが、肘への負担を増大させる一因となります。
3. フォームの乱れや道具の問題
夏の暑さによる疲労は、集中力を低下させ、普段通りのフォームを維持することを難しくします。手打ちになったり、力んだりすることで、肘に余計な負担がかかります。また、ラケットのガットが硬すぎる、グリップのサイズが合っていないなど、道具が原因で肘を痛めるケースも少なくありません。
プレー後にできる!肘のセルフケア
痛みを感じたら、まずは安静が第一です。その上で、ご自身でできるケアを行いましょう。
1. アイシング(冷却)
- プレー後、痛みや熱っぽさを感じる部分を、氷のうや保冷剤などで15〜20分ほど冷やします。
- 炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。直接氷を当てず、タオルなどで包んでください。
2. 前腕のストレッチ
- 【ゴルフ肘の場合】肘を伸ばしたまま、手のひらを上に向け、反対の手で手首をゆっくりと下に曲げます。前腕の内側が伸びるのを感じながら20秒キープします。
当院での専門的な治療
痛みが長引く、日常生活にも支障が出ているといった場合は、適切な診断と治療が必要です。
- エコーによる詳細な診断:超音波(エコー)で腱の炎症や損傷の程度をリアルタイムに評価し、痛みの原因を正確に特定します。
- ハイドロリリース・PRP療法:エコーで確認しながら、硬くなった組織や神経の癒着を剥がすハイドロリリースや、ご自身の血液から高濃度の血小板を抽出して注入するPRP療法など、治癒を促進する治療を行います。
- 理学療法とリハビリテーション:理学療法士が、痛みの原因となっている動作を分析し、フォームの修正や適切な筋力トレーニング、ストレッチなどを指導。再発しない体づくりをサポートします。
こんな症状は要注意
ただの使いすぎと軽視せず、以下のような症状があれば専門医にご相談ください。
- 安静にしていてもズキズキ痛む
- コップを持つ、ドアノブを回すといった日常動作でも強い痛みがある
- 指先にしびれを感じる
まとめ
楽しい夏のスポーツを思い切り楽しむためにも、プレー前のウォーミングアップと、プレー後のクールダウン、そして十分な水分補給を忘れないでください。そして、肘に痛みを感じたら、無理をせず、適切なケアを心がけましょう。
長引く肘の痛みでお悩みの方は、我慢せずに一度お気軽に当院へご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)