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コラム

Column

2025年5月17日

凍結期・拘縮期・寛解期― 病期別に最適化したリハビリプログラムの実際

こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

肩関節周囲炎の各病期に合わせたリハビリプログラムの進め方を紹介。凍結期・拘縮期・回復期それぞれの特徴と、当院の評価・治療の強みをわかりやすく解説します。

肩関節周囲炎は「今の時期」に合ったリハビリが重要です

「動かすと痛いけど、じっとしていてもつらい」「肩が固まって、服を着るのも一苦労」
そんなお悩みを抱えて来院される方の多くが、肩関節周囲炎(五十肩)の病期ごとの特徴に応じた対応がされていないケースです。

肩関節周囲炎は、痛みと動きの制限が段階的に進行する疾患です。炎症期・拘縮期・回復期という3つの時期それぞれに応じたリハビリが必要です。このコラムでは、病期別に最適化されたリハビリプログラムの実際を、当院の対応と共にご紹介します。

肩関節周囲炎の3つの病期とは

① 炎症期

肩の痛みが強く、特に夜間痛が出やすい時期です。可動域の制限も徐々に進行し、日常動作にも支障が出始めます。

② 拘縮期

痛みはやや落ち着いてきますが、肩の動きの制限が強くなります。この時期の特徴は、「痛みより動きの悪さ」。服の着脱や髪を結ぶ動作が困難になります。

③ 回復期

痛みが減り、肩の動きが少しずつ戻ってきます。ただし、放っておいても完全に元通りになるとは限りません。適切な運動が回復の鍵となります。

当院での評価方法

  • 問診と徒手検査による病期の判別
  • エコーによる滑液包や腱の状態の観察
  • 関節可動域(ROM)評価
  • 夜間痛の有無や疼痛スケール(NRS)による痛みの定量化

当院での治療法

  • 【炎症期】:内服管理、過剰な運動の抑制、エコーガイド下ハイドロリリース、ステロイド注射
  • 【拘縮期】:関節モビライゼーション、温熱療法、適度な可動域訓練
  • 【回復期】:肩甲骨周囲筋の筋力訓練、セルフエクササイズ指導

    回復期でのセルフエクササイズ

当院へのご相談はこちら

「この時期、どう過ごせばいいの?」「もう治ったと思って動かしていいの?」
そうした疑問や不安に、経験豊富な理学療法士と医師がチームで対応します。お気軽にご相談ください。

まとめ:病期に合わせた対応が回復の鍵

肩関節周囲炎は、痛みや動きの制限が時期によって変化します。「いまの状態」に合ったリハビリを行うことで、回復のスピードと質が大きく変わります。病期を見極めて、適切な時期に、適切な治療を。

よくある質問

Q1. 肩関節周囲炎は放っておいても治ると聞きましたが本当ですか?

自然に寛解するケースもありますが、可動域制限が残ることもあります。早期からの評価と対応が重要です。

「五十肩」とは本当に“自然に治る”のか?─ 最新ガイドラインで示された回復期間と再発率

Q2. 運動はいつから始めれば良いですか?

痛みの強い炎症期は無理に動かさず、拘縮期以降に段階的に行うのが安全です。

Q3. エコーは何がわかるのですか?

滑液包炎や腱の肥厚、石灰沈着などが確認できます。痛みの原因や病期判断に有用です。

参考論文

  • Page MJ, Green S, Kramer S, Johnston RV, McBain B. Manual therapy and exercise for adhesive capsulitis (frozen shoulder). Cochrane Database Syst Rev. 2014 Aug 26;(8):CD011275. doi:10.1002/14651858.CD011275.pub2.
  • Ranalletta M, Rossi LA, Bongiovanni SL, Tanoira I, Elizondo CM, Maignon GD. Exercise Therapy Is Effective for Improvement in Range of Motion, Function, and Pain in Patients With Frozen Shoulder: A Systematic Review and Meta-analysis. Am J Sports Med. 2016 Feb;44(2):474-81. doi:10.1177/0363546515616238. PMID: 26657263.
  • AAOS. Frozen Shoulder (Adhesive Capsulitis). OrthoInfo. https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/frozen-shoulder/
  • Physical therapy in the management of frozen shoulder. Singapore Med J. 2017 Dec;58(12):685-689. doi:10.11622/smedj.2017081. PMID: 29242941.
  • Jain TK, Sharma NK. The effectiveness of physiotherapeutic interventions in treatment of frozen shoulder/adhesive capsulitis: a systematic review. J Back Musculoskelet Rehabil. 2014;27(3):247-73. doi:10.3233/BMR-130443. PMID: 24284277.

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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