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コラム

Column

2025年4月27日

【膝に力が入らない?】原因は“お尻の筋肉”かもしれません

こんにちは。桃谷うすい整形外科の瀬尾です!

「膝がぐらつく感じがする」「膝に力が入らず歩きにくい」――そんなお悩みを抱える60代〜70代の方は少なくありません。

こうした症状の原因として多くの方が思い浮かべるのは、膝関節周囲の筋力低下でしょう。しかし実は、お尻の筋肉(特に大殿筋)の機能低下が、膝の不安定感や力が入りづらさに関係していることもあります。

今回は、お尻の筋肉と膝の安定性の関係について、最新の信頼できる研究をもとにわかりやすく解説いたします。

お尻の筋肉「大殿筋」とは?

大殿筋は、股関節の後ろ側にある人体で最大の筋肉で、主に「立つ」「歩く」「階段を昇る」などの動作に深く関与します。

この大殿筋が正常に働くことで、股関節や骨盤を安定させ、その影響で膝関節も正しい位置で機能することができます。

大殿筋

大殿筋の機能が落ちると膝にどんな影響が?

お尻の筋肉(大殿筋)がうまく使えていないと、以下のような問題が起こりやすくなります:

  • 膝が不安定に感じる:骨盤や股関節の安定が保てず、膝がぐらつく感覚が生じる。
  • 筋肉の過剰使用:大腿四頭筋やハムストリングスが代償的に働きすぎて、筋肉が硬くなったり、疲労がたまりやすくなる。
  • 膝関節へのストレス増加:膝の位置が安定しないことで、関節内部に余計な負荷がかかり、痛みや炎症の原因に。

信頼性の高い研究から見た関連性

近年の研究では、以下のような報告があります:

  • 高齢者で膝に不安定性を訴える方は、大殿筋や中殿筋の筋力が低下し、筋内脂肪が多くなっていることが示されています。[1]
  • 大殿筋の筋力低下は、膝の伸展力や歩行中の膝のコントロールに悪影響を及ぼすことが分かっています。[2]

膝のためにお尻を鍛える!おすすめエクササイズ

お尻の筋肉(大殿筋)を鍛えることで、膝の安定性が高まり、歩行や立ち上がりも楽になります。以下の簡単な運動を試してみてください:

  • ブリッジ:仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げる。5秒キープ×10回。
  • クラムシェル:横向きに寝て膝を曲げた状態で、上側の膝だけを開く。10〜15回。
  • 椅子スクワット:椅子に腰を下ろす→立ち上がる動作をゆっくり行う。

痛みがある場合やバランスに不安がある方は、専門家の指導のもとで実施してください。

まとめ

膝に力が入らない・不安定に感じるとき、その原因が「お尻の筋肉」にあることも少なくありません。特に60〜70代の方は、大殿筋をうまく使えなくなっていることが多く、結果的に膝に過剰な負担がかかってしまいます。

膝のトラブルでお悩みの方は、膝だけでなく「股関節・骨盤周囲の筋力」にも目を向けることが改善の近道になるかもしれません。

気になる方は、ぜひ当院までご相談ください。

参考文献

  1. Gluteal muscle composition differentiates fallers from non-fallers in community dwelling older individuals
  2. Gluteus maximus weakness and altered knee biomechanics in older adults with knee pain

JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。

このコラムを書いた人

理学療法士
瀬尾 真矢

患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

得意分野

変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)

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