コラム
Column
【膝下の内側が痛い!】スポーツをしているあなたへ 〜もしかして鵞足部痛かもしれません〜

こんにちは。桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
「走った後に膝の内側がズキズキする」「ジャンプやダッシュの後に膝下が痛む」そんな症状はありませんか?スポーツをしている方の中には、膝の内側、特に膝下の内側に違和感や痛みを感じる方が少なくありません。
その痛み、鵞足(がそく)部痛かもしれません。今回は、スポーツで起こりやすいこの膝の痛みについて、原因や予防、治療の方法までわかりやすく解説していきます。
鵞足(がそく)ってなに?
鵞足とは、太ももの内側から膝の内側下方にかけて走る3つの筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)が、脛骨の内側に集まって付着している部分のことを指します。
この付着部がガチョウの足に似ていることから「鵞足」と呼ばれています。
この鵞足は、膝を曲げたり内側に安定させたりする役割があるため、日常動作やスポーツ中に頻繁に使われる部位です。負担がかかりすぎると、鵞足炎(鵞足部滑液包炎)や鵞足付着部症候群といった痛みが生じることがあります。

鵞足部痛の原因は「膝」だけじゃない
鵞足部の痛みは、膝自体の問題と思われがちですが、実際には股関節・足関節・体幹など、複数の部位から影響を受けていることが多いのです。
特にスポーツをしている方においては、以下のような状況が鵞足部への負担を高め、痛みを引き起こす原因になります:
- 股関節の可動域の低下:股関節の動きが悪くなると、膝がその代わりに過剰に動かされ、鵞足部に負担がかかります。
- 足関節の柔軟性不足:足首の動きが硬いと、地面を蹴る動作やジャンプ着地時に膝に過剰なストレスがかかります。
- 体幹(コア)の筋力低下:体幹が不安定だと、下半身への力の伝達が不均一になり、膝周囲に過剰な負担がかかります。
- ランニングフォームの乱れ:フォームが崩れることで、膝の内側への捻じれや圧迫が加わり、鵞足部にストレスが集中します。
このように、鵞足部痛の本当の原因は膝そのものだけでなく、全身のバランスや連動性の乱れにあることが少なくありません。
スポーツ中に出やすい症状と注意ポイント
鵞足部痛は、次のようなタイミングで現れやすくなります:
- 走った直後や翌日に膝の内側が痛む
- 坂道や階段の下りで膝下の内側に違和感がある
- ジャンプや方向転換時にピリッとした痛みが走る
- 膝の内側を押すと痛みが強くなる

このような症状が出た場合は、早めに評価・対処することが重要です。無理にスポーツを続けてしまうと、痛みが慢性化し、プレーに支障が出ることもあります。
当院での評価と治療の流れ
当院では、鵞足部痛の評価においてエコー(超音波)検査を積極的に活用しています。エコーでは、痛みの出ている部位をリアルタイムで観察することができ、鵞足部の炎症、腫れ、滑液包の状態などを詳細に確認できます。
また、痛みの原因が膝だけでなく股関節や足関節、体幹にあると判断された場合は、それらを含めた包括的な評価を行います。
治療としては、以下のような方法を組み合わせて行います:
- エコーガイド下の注射:炎症のある部位にピンポイントで薬剤を投与し、痛みを和らげます。
- エコーガイド下リハビリ:原因となっている関節や筋肉の状態を確認しながら、的確な運動療法を行います。
- フォーム・動作の改善指導:再発防止のために、走り方やジャンプ時の姿勢、体幹トレーニングを指導します。
膝の内側が痛むときは、がまんせずご相談ください
スポーツで膝の内側に痛みが出ている方は、我慢せず早めの評価をおすすめします。鵞足部痛は、しっかりと原因を見極め、適切に対処すれば改善するケースが多くあります。
「膝の内側が痛い」「スポーツでのケガを予防したい」「自分の身体の使い方を見直したい」そんな方は、ぜひ当院までご相談ください。
あなたの競技復帰や再発予防を、専門的な視点でしっかりサポートいたします。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)