コラム
Column
【膝が伸びづらく、膝の内側が痛い70歳代の方へ】内側半月板にかかる負担と正しいケア方法

こんにちは。桃谷うすい整形外科の瀬尾です!
「最近、膝がしっかり伸びなくなってきた」「歩くたびに膝の内側が痛む」——このようなお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?特に70歳代を中心に、膝の変形や動きの制限が出てくる方が多くみられます。
その症状、もしかすると内側半月板に負担がかかっているサインかもしれません。本日は、内側半月板の構造と機能、膝の変形によりどのように負担が増えるのか、そして当院で行っている検査や治療についてわかりやすくご紹介いたします。
内側半月板とは?構造と役割
膝関節には「半月板」と呼ばれる軟骨のような組織があり、内側と外側の2つに分かれています。その中でも内側半月板は、膝の内側で骨と骨の間にあり、次のような役割を担っています:
- 膝にかかる衝撃を吸収する「クッション」
- 膝関節の安定性を高める「支え」
- 関節の動きを滑らかにする「潤滑剤」
しかし、年齢とともに半月板はすり減りやすくなり、硬さや弾力性が低下してしまいます。これにより、日常生活の動作でも内側半月板に負担がかかりやすくなります。

膝の変形が内側半月板に負担をかける理由
加齢とともに膝関節の形が変化し、特にO脚(がに股)のように膝が外側に開く変形が起こることがあります。O脚になると、膝関節の内側に体重や負担が集中しやすくなります。その結果、膝の内側にある内側半月板や内側側副靱帯(MCL)に過剰なストレスがかかりやすくなるのです。
さらに、膝の変形が進むと、関節の動きにも影響が出てきます。膝がまっすぐに伸びにくくなる伸展制限が起こると、本来膝の内側をしっかりと支える内側側副靱帯(MCL)が緩んでしまいます。
MCLが緩むと、内側半月板を正しい位置に留めておく力が弱まり、半月板が正常な位置から逸脱(ずれ)しやすくなります。逸脱した半月板は、関節の中で不安定になり、余計な負荷がかかることで炎症が起きやすくなります。
このように、O脚による膝内側への負担の増加と、膝が伸びにくくなることが重なると、内側半月板には大きなストレスがかかりやすくなるのです。これが膝の痛みや違和感、歩行時の不安定感へとつながっていきます。
内側半月板が原因かもしれないサイン
内側半月板に負担がかかっている場合、次のような症状が出やすくなります:
- 膝の内側がズキズキ痛む
- 膝をまっすぐに伸ばしにくい
- 歩行時に膝が引っかかる感じがする
- 膝の曲げ伸ばしでゴリゴリと音がする
これらの症状がある場合は、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。
当院での検査と治療法
当院では、膝の痛みや違和感がある方に対してレントゲン検査を行い、膝の骨の変形や関節の隙間を確認します。
さらに、レントゲンだけではわからない軟部組織(半月板や靱帯、神経)の状態を把握するために超音波(エコー)検査を積極的に取り入れています。エコー検査ではリアルタイムで膝の中を観察できるため、半月板の逸脱や関節内の炎症所見を的確に捉えることが可能です。
また、検査だけでなくエコーを使った治療も行っています:
- エコーガイド下の注射:痛みの原因となる部位にピンポイントで薬剤を注入し、炎症や痛みを抑えます。
- エコーガイド下リハビリ:関節や筋肉の状態を確認しながら、安全かつ効果的な運動療法を行います。
これにより、患者さま一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療を提供することができます。
膝の内側が気になる方はお気軽にご相談ください
膝の変形が進むと、内側半月板に負担が集中しやすくなり、痛みや炎症の悪循環に陥ることがあります。早めの検査と適切な治療で症状の進行を防ぐことが大切です。
当院では、レントゲンとエコーを併用した詳しい評価と、エコーを使った治療法を取り入れ、患者さまの膝の健康をサポートしています。
「膝が伸びづらい」「内側が痛む」「歩くと膝が不安定」などのお悩みがある方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)