コラム
Column
リハビリでエコーはどのように使うの?
こんにちは!桃谷うすい整形外科の瀬尾です。
今回は、リハビリテーションで導入している「エコー(超音波画像診断装置)」の活用についてお話します。
「エコー」というと、医師が診察室で診断のために使うイメージが強いかもしれません。
医師が「診断」のためにエコーを使うのに対し、理学療法士は「体の動きや機能の評価」のためにエコーを活用します。これにより、従来の手の感覚だけ頼るリハビリよりも、さらに精密で効果的なアプローチが可能になります。
今回は、理学療法士の視点でのエコーの活用法について解説します。
1.正しく動ける「答え合わせ」ができる(運動学習)
リハビリ中、「この筋肉を意識して動いてください」と言われても、本当に正しく力が入る不安になることはありませんか?
特に深層にある「インナーマッスル」などは、外から見ても動いて見えにくい筋肉です。
動きの流動化(バイオフィードバック)
エコー画面を患者様と一緒に見ながら運動を行います。狙った筋肉が正しく絞られると、画面の中で筋肉が動く様子が観察されます。
2. 筋肉や関節の「動きの質」をチェックする(機能評価)
痛みがある場合、筋肉が硬くなっていたり、腱の滑りが悪くなってしまうことがよくあります。
- 滑走性(滑り)の確認:
関節を動かしたときに、筋肉や腱がスムーズに滑っているか(癒着がないか)をエコーで確認します。動きが悪い箇所をピンポイントで見つけ出し、そこに対して徒手療法や運動療法を行うことで、効率よく動きを改善させます。 - 筋肉の質の評価:
痛みで長く使えていない筋肉は、痩せてしまったり(萎縮)、質が変化したりします。エコーで筋肉の状態を冷静に評価し、どの筋肉を重点的に鍛えるべきか計画を立てます。
3. 安全なリハビリのためのリスク管理
医師の診断に基づき、患部に過度な負担をかけずにリハビリを続けるためにもエコーは役に立ちます。
痛みの原因となる動作の特定
「腕を上げると痛い」という場合、エコーを当てながら腕を上げてもらうことで、骨と腱がぶつかっていないか(インピンジメント)、組織が挟み込まれているかなどを動きの中で観察します。
これにより、患者様に負担をかけない安全な方法や、避けるべき角度を具体的に指導できます。
エコーリハビリのメリットまとめ
- 納得感:体の動きを見ることで、リハビリの目的が明確になります。
- 習得速度向上:「できている感覚」を目で見て修正できるため、正しい動作が早く身につきます。
- 安全性:放射線を使わないため被曝の心配がなく、毎回安心して使用できます。
最後に
リハビリにエコーを取り入れることで、「なんとなく動く」から「自信を持って動く」リハビリへと進化します。
医師による正確な診断と連携し、理学療法士がエコーを用いて患者様の筋肉の働きや関節の状態を丁寧に評価します。
「痛みがなかなか引かない」「正しいリハビリ方法を知りたい」という方は、ぜひご相談ください。
精密な評価に基づいたリハビリテーションをご提案いたします。
JR桃谷駅西口出てすぐの天王寺区、生野区から通院しやすいクリニック「桃谷うすい整形外科」では、質の高い医療を提供し、患者さんの問題解決に全力で取り組み、医療者全員が協力して前進し続けることを目指しています。
このコラムを書いた人

瀬尾 真矢
患者様一人ひとりの日常生活やスポーツ復帰を支援するために、適切なリハビリプログラムを提供し、患者様が自信を持って活動できるようサポートいたします。また、痛みや不快感に真摯に向き合い、最善の方法で症状を軽減し、再発予防にも力を入れてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
得意分野
変形性関節症(人工関節術後)、肩関節疾患(保存療法、術後)
スポーツ障害(肩関節、膝関節、足関節)