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腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアとは、脊柱を構成する椎体と椎体の間に存在する椎間板の髄核が突出、神経を圧迫することによって痛みや痺れが生じる疾患です。
椎間板が加齢などによって変性し断裂して起こります。悪い姿勢での動作や作業、喫煙が誘因となります。また20-40歳代の男性に多い(男女比 2-3:1)と言われています。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

人間の脊椎には腰の骨(椎体)が5個あります。これらは椎間板で強く結び付けられています。椎体と椎間板の前には前縦靭帯、後には後縦靭帯があり、この後ろには脊柱管というスペースがあります。脊柱管の中には硬膜管という神経を守る硬い膜があります。硬膜に包まれた神経の束のことを馬尾と言います。(馬の尻尾に見えるところからこの呼び名があります)この馬尾が左右に別れて硬膜管を通るときに神経根と呼び名が変わります。この後、神経根は椎間孔を経て下肢に向かいます。

この椎間板が加齢によって水分が失われ、ひびが入って来ることを変性と言います。
変性によって飛び出したヘルニアが神経を圧迫すると神経症状を生じます。(図)

椎間板が後方に突出して、硬膜(神経の管)を圧迫する様子

図:椎間板が後方に突出して、硬膜(神経の管)を圧迫する様子
出典:遠藤 努ら : 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、坐骨神経痛ってどう違う?   整形外科看護 Vol.27 No.12, 2022.

また、環境因子としては重労働をしている人はそうでない人の3倍発症しやすい、タバコを吸っている人は20%発症の危険性が上がるなどの大きな働きかけをしていると言えます。

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰痛と下肢痛が必発するが、通常は腰痛が先行し、引き続き下肢痛が発生します。
巨大ヘルニアでは歩行障害や膀胱直腸障害が発生することもあります。

腰椎椎間板ヘルニアの検査

問診、理学的診察、画像診断を手順を踏んで行い、愁訴と合致する理学初見と画像所見を確認できればヘルニアの確定診断になります。
最終的にMRIを始めとする画像診断で確定診断を行います。

腰椎椎間板ヘルニアの治療

ヘルニアの自然経過
椎間板ヘルニアは治りやすい病気です。治る理由の一つは椎間板ヘルニアが「溶ける」からだと言われています。全体の60%ぐらいの方は6ヶ月以内に溶けて縮小していくことが確認されています。

薬物療法は非ステロイド性消炎鎮痛剤を使用しますが、効果が乏しい場合はブロック治療を行います。保存療法で症状の改善しない場合や、膀胱直腸障害、筋力低下を認める場合は、手術治療を勧めます。

症状が持続してヘルニアの手術が必要になる方は10-30%と言われています。

参考文献

藤村 祥一ら: 下肢の痺れ 腰椎椎間板ヘルニア 総合臨床 Vol 55 No.9, 2006
Urban,JP.et al.Degeneration of the intervertebral disc.Arthritis Res Ther.5(3),2003,120-30.
Maroudas,A.et al.Factors involved in the nutrition of the human lumbar intervertebral disc:cellularity and diffusion of glucose in vitro.J Anat.120(Pt 1),1975,113-30.
Jensen,MC.et al.Magnetic resonance imaging of the lumbar spine in people without back pain.N Engl J Med.331(2),1994,69-73.

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