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腰椎分離症

腰椎分離症

腰椎分離症とは

腰椎分離症とは、椎弓の根本の椎弓根-上関節突起(図)で起きる骨折のことです。

腰椎を横から見た図

図:腰椎を横から見た図
出典:井 里奈ら : 腰椎分離症と腰椎分離滑り症   整形外科看護 Vol.19 No.4, 2014.

腰椎分離症の多くは若い人に見られます。若いうちは症状なく経過することが多く、成人以降に分離すべり症となり徐々に症状が出てくることもあります。

腰椎分離症の原因

10代前半の成長期に起こる疲労骨折です。
骨癒合が見られないまま成長すると分離が起こり、分離した椎弓は安定せずグラグラの状態になります。そのため下位の椎間関節は関節として機能せず、それが原因となって次第に分離すべり症に進行していくことがあります。

腰椎分離症の症状

腰を後ろにそらす(後屈)時や回旋時の腰痛が特徴的です。立位、中腰、運動後、労働後に腰痛を訴えることが多いです。

腰椎分離症の検査

診断は腰椎レントゲン検査を行います。正面像、側面像に加えて両側斜位像を撮ることが必要です。

腰椎レントゲン 斜位像

図:腰椎レントゲン 斜位像
出典:坂根 正孝ら : 腰椎分離症・腰椎分離滑り症 整形外科看護 Vol.19 No.6, 2014.

分離症の病期や保存療法の効果判定にはCTやMRIが必要です。

腰椎分離症の治療

まずスポーツを一定期間休止することが必要です。
青少年の腰椎分離症では、急性期であれば6ヶ月ほどのコルセット着用で分離部の骨癒合が期待できます。偽関節期には対症療法が主となり、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)や局所麻酔薬のブロック注射が使われます。

当院での治療方針

コルセットによる治療に加えて理学療法として、

  1. 腰椎牽引
  2. ホットパックなどの温熱療法
  3. 柔軟体操
  4. 筋力の強化(腹筋、背筋、大臀筋、スクワット)

を行います。

腰椎分離症の予防

過度の伸展・回旋動作を控えることが重要です。
ハムストリング(大腿屈筋群)や大腿四頭筋のストレッチなどを指導します。

参考文献

玉井 里奈ら : 腰椎分離症と腰椎分離滑り症   整形外科看護 Vol.19 No.4, 2014.
西良浩一.腰椎分離症:発症メカニズムとその予防・再発予防.臨床スポーツ医学.25,2008,211-20.
小林良允.成長期スポーツ選手の腰椎分離症に対する診断と治療.日本臨床スポーツ医学会誌.16(3),2008, 322-30.
大場俊二ほか.腰椎疲労骨折の早期診断と早期スポーツ復帰.日本臨床スポーツ医学会誌.15(3),2007,429-39.
西良浩一.アスリートにもみられる腰椎終板炎と腰痛予防のジャックナイフストレッチについて.Sportsmedicine.23(5),2011,2-10.

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