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肘部管症候群

肘部管症候群

肘部管候群とは

肘の内側で骨の溝(尺骨神経溝)を通る尺骨神経が絞扼され、尺骨神経障害をきたす疾患です。

肘部管症候群の原因

多くは特発性ですが、肘の変形(外反肘)、腫瘍性病変、変形性肘関節症が原因になることもあります。腫瘍性病変としてはガングリオンが多く、急速に生じる環指、小指の疼痛が特徴です。

肘部管症候群の症状

環指尺側、小指に痺れを生じる疾患で、進行すると手内の筋肉(手内筋)の萎縮が生じ、指の開閉運動(外転・内転運動)が障害されます。つまみ動作、対立動作に支障がでます。手内筋力が低下すると、かぎ爪指変形が生じます。

診断には、肘部管のティネル徴候(叩くと痺れが誘発)、母指IP関節を伸展して紙を挟み引くとIP関節が曲がってしまうフロマン徴候、肘屈曲により痺れを誘発する肘屈曲テストを用います(図)。また、神経伝導検査やMRIを使用することもあります。

(図)肘部管の構造
出典:佃 幸憲ら : 手根管症候群・肘部管症候群   整形外科看護 Vol.5 No.26, 2021

肘部管症候群の検査

手根管部のTinel徴候、ファーレンテスト、母指球の萎縮、神経電動検査で診断します

(図)正中神経、尺骨神経の知覚領域

(図) かぎ爪変形

環指と小指のMP関節が過伸展し、DIP(第一関節)、PIP(第二関節)関節が屈曲する。

(図)フロマン徴候

母指IP関節(第一関節)を伸展したまま紙を挟み引いた時、IP関節が屈曲すると陽性

(図)肘屈曲テスト

肘を最大屈曲した時、尺骨神経領域が痺れ、痺れの悪化が誘発されると陽性

出典:佃 幸憲ら : 手根管症候群・肘部管症候群   整形外科看護 Vol.5 No.26, 2021

肘部管症候群の治療

症状が軽度のものは、ビタミンB12製剤の内服や安静目的にシーネ、装具固定を行います。
保存治療で改善しない場合は、手術を行います。手術は、肘部管周囲の神経を剥離する徐圧術と、剥離後に神経を前方に移動する神経移行術などがを行います。

参考文献

荻野 利彦:手関節と手”.標準整形外科学.第 11 版.内田淳正監.東京,医学書院,466,  2011.
牧 裕:絞扼性神経障害”.手外科診療ハンドブック.改訂第 2 版.斎藤英彦ほか編.東京,南江堂,304-6,309-12, 2014.
佃 幸憲ら : 手根管症候群・肘部管症候群   整形外科看護 Vol.5 No.26, 2021

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