06-4392-7077 WEB予約 W
E
B

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛とその原因

筋筋膜性腰痛は大きく分けて、筋付着部障害体幹筋肉離れ障害の2種類と考えられています。

筋付着部障害

脊柱起立筋などの体幹の複数の関節を跨ぐ筋肉が、姿勢を保つために収縮を繰り返すことで、筋付着部に牽引力がかかります。このような負荷によって、筋付着部と骨の結合部で障害が発生します。
後発部位は、脊柱起立筋が腸骨に付着する部位(図)です。

脊柱起立筋に過度な負荷を加えるアスリートに多いとされています。
しかし、加齢に伴って背骨が曲がる変形(脊柱後弯変形)を呈した高齢者の方では、姿勢を保つのに脊柱起立筋に牽引力が加わり続けるため、痛めやすいと言われています。

図:脊柱起立筋の腸骨付着部/○の場所に圧痛を認める
出典:金岡 恒治ら 筋性腰痛  MB Orthop. 30(8) : 77-81, 2017.

体幹筋肉離れ障害

筋肉の筋膜に強大な伸長力が作用すると筋肉と筋膜の境界で損傷が生じ、筋損傷(肉離れ)が生じます。

筋筋膜性腰痛の症状

動作時の疼痛を認めます。

筋筋膜性腰痛の検査

画像検査でははっきりしないことが多く、病歴、症状、画像所見などを総合的に評価します。

筋筋膜性腰痛の治療

この場合は安静により症状が経過し、1-2週間の短期間に症状は改善します。しかし、一旦軽快した症状が再燃する事もあり、腰痛が慢性化するケースもあります。
運動療法は急性腰痛に対しては推奨されていない一方で、過度の安静は望ましくないとされています。これらのことより、急性腰痛の場合は痛みを誘発しない程度の運動は行っても良いとされています。

疼痛源となる筋付着部および筋-筋膜境界の負荷を減らすために①体幹筋力と②柔軟性の強化を行うことは効果的です。

薬物療法は椎間板性腰痛に対しては対症的な効果を期待して使用します。
まずは非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、アセトアミノフェンなどの鎮痛薬使用が考慮されます。

鎮痛薬の使用法として はなるべく頓服使用が望ましいですが、慢性持続性の痛みの場合には、短期間であれば定期的に内服継続しても良いです。これらの薬剤が無効である場合には弱オピオイド製剤やプレガバリンなどの薬剤の使用も考慮されます。

また、必要に応じて疼痛部位のブロック注射/超音波ガイド下ハイドロリリースを行うこともあります。

医師より

医師より
院長

疼痛のコントロールをした状態で、体幹筋力や柔軟性時を向上させることで症状が劇的に改善する患者さんもおられます。

筋筋膜性腰痛の予防

ストレッチング

ストレッチングは、軟部組織の拘縮を取り除き、腰椎全体の可動域を改善させるために重要です。
特に、腰痛をお持ちの患者さんは、体幹・下肢の拘縮が少なからず存在します。

ストレッチングのポイントは

  1. ゆっくり息を吐きながら行うこと(1動作を10秒以上かけて5秒間保持すること/1日3セット目安)
  2. 決して無理をせず、痛みや不快感が生じたらストップすること

です。以下に例を示します。

腹直筋のストレッチンング
腹直筋のストレッチンング
脊柱起立筋のストレッチンング
脊柱起立筋のストレッチンング
腸腰筋のストレッチンング
腸腰筋のストレッチンング

背筋筋力増強とストレッチングの同時トレーニング

(左:吸気に合わせて3秒壁をゆっくり押す。これが背筋筋力訓練になります。)
(右:その後呼気に合わせて、ゆっくりと可能な範囲で前屈します。これが背筋ストレッチング運動になります。)

(左:吸気に合わせて3秒壁をゆっくり押す。これが背筋筋力訓練になります。)
(右:その後呼気に合わせて、ゆっくりと可能な範囲で前屈します。これが背筋ストレッチング運動になrります。)

参考文献

金岡 恒治ら 筋性腰痛  MB Orthop. 30(8) : 77-81, 2017.
Willard, F. H,. Vleeming,A.,Schuenke,M. D.,et  al.: The thoracolumbar fascia:anatomy,function and clinical considerations. J Anat.221: 507-536,2012.
Tesarz,J.,Hoheisel. U.,Wienhofer,B.,et al.: Sensory innervation of the thoracolumbar fascia in rats and hLlmans. Neuroscience.194: 302-308,2011,

所在地 〒543-0033
大阪府大阪市天王寺区堂ヶ芝1丁目11番3号
DSt桃谷ビルディング 2階
休診日 木曜・日曜・祝日