母指CM関節症とは

手の変形性関節症の中で、母指(親指)の付け根に発生するものです。
疼痛や腫脹、可動域制限をきたし、手の機能障害を招きます。中でも母指は手の機能に果たす役割が大きく、母指CM関節症では著しく機能障害が生じます。

母指CM関節症の原因

肥満や機械的な因子(職業上繰り返し単純作業を行う)が報告されています。
また、男性に発生しやすいと言われています。

母指CM関節症の症状

つまみ動作や、握り動作で母指基部の疼痛や腫脹が発生します。

母指CM関節症の検査

診察では、CM関節(親指の付け根)の圧痛、誘発テスト(torque test:親指を長軸方向に圧やひねりを加えると疼痛が誘発される)などを行います。

単純レントゲン検査で疼痛部位の変形を同定します。
しかし、CM関節症の場合は疼痛とレントゲン検査での重症度が一致しないこともあります。

母指CM関節症の治療

保存治療として、鎮痛剤の内服、湿布などの外用剤、装具療法、ステロイドの関節内注射があります。
装具療法はCM関節の制動を目的とし、他の関節の運動を妨げないようにしています。(図)

保存治療が無効の場合は、手術療法が考慮されます。
靭帯再建術、関節固定術、関節形成術などがあります。

参考文献

佐々木 規博ほか:母指CM関節症の診断と治療. MB Orthop. 35(4) : 13-20. 2022
Sonne-1-lolln S， et al:Osteoarthritis of the fisrt carpolnetacarpal joillt;a study of radiology alld clinical epidelniology l results froln the Coperlhagell Osteoarthritis Study. Osteoarthri- tis CartHage.14:49 6-500，2006.
odama R. et al:Prevalence of hand osteoar- thritis and its relationship to hand pain and grip strellgth in Japan:The third survey of the ROAD studv. Mod Rheumatol.26:767- 773，2016.