上腕骨内側上顆骨折
上腕骨内側上顆骨折
上腕骨内側上顆骨折とは
骨端核が出現する5歳以降の発生し、骨端線が閉鎖する年齢まで認められます。
9-14歳に多発します。上腕骨顆上骨折、上腕骨外顆骨折についで頻度が高いです。外傷を受けやすい男児に好発します。また、内顆骨折と異なり、関節外骨折であることがポイントです。
上腕骨内側上顆骨折の原因
肘を伸展、手関節背屈位で転倒すると、肘に外反力が作用し、内側上顆に付着している屈筋群による筋緊張の増強により、内側上顆の剥離骨折が生じます。
上腕骨内側上顆骨折の症状
子供が転んだ後、「肘が腫れている」「肘が痛い」などの症状を訴えます。
上腕骨内側上顆骨折の検査
内側上顆の骨端核が発現する前の年齢ではレントゲンでは診断困難で、MRI検査が必要です。
また、特徴的な臨床所見を合併することがあります。
肘関節動揺性
内側上顆の末梢には、内側側副靭帯が存在します。骨折線が靭帯を含む場合、骨片が転位して外反動揺性をきたします。
尺骨神経障害
10-16%に尺骨神経障害が合併します。
上腕骨内側上顆骨折の治療
治療方針の決定にWatson-Jones分類が使われます。転位が少ないⅠ型では保存療法が使われます。保存療法は肘関節屈曲90度、前腕を軽度回外位で3-4週の副子固定を行います。また、それ以外の型では手術療法が行われることが多いです。
参考文献
山本謙吾ら : 上腕骨内側上顆骨折 関節外科 Vol.28 No.1, 2009.