上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)とは
上腕骨内側上顆炎とは、ゴルフ肘、フォアハンド肘と呼ばれ、肘の内側に痛みを生じるスポーツ障害の一つです。その病態は、前腕の回内屈筋群起始部の変性変化です。
頻度は比較的少なく、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の1割にも満たないと報告されています。
上腕骨内側上顆炎の原因
手の頻回使用により屈筋群起始部に慢性の機械的刺激がかかり、損傷が起きることが原因と言われています。
上腕骨内側上顆炎の症状
手関節を屈曲させた時に、肘関節の内側の疼痛が生じます。また、肘関節の内側の圧痛も見られます。
上腕骨内側上顆炎の検査
- 抵抗下に手関節を屈曲させて、疼痛が生じるものを陽性とするテスト
- forearm pronation test(抵抗下に回内させ、疼痛が生じるテスト)
画像診断として単純レントゲン検査を行い、上腕骨内上顆に石灰化や遊離体を認めることがあります。
上腕骨内側上顆炎の治療
スポーツ活動の中止、局所の安静、鎮痛剤の投与、ステロイド剤の局所注射、装具療法、ストレッチなどがあります。
最近では再生医療(PRPの局所注射)、体外衝撃波などの自由診療領域の方法も行なっております。
参考文献
西尾 泰彦ら : 特集 肘のスポーツ障害治療の新知見 骨・関節・靭帯 15巻 10号, 2002.
O’Dwyer KJ,Howie CR : Medial epicondylitis of the elbow. lnt Orthop 19:69-71,1995