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リスフラン靭帯損傷

リスフラン靭帯損傷

リスフラン靭帯損傷とは

足の靭帯の中で、図の部位をリスフラン靭帯と呼びます。
このリスフラン靭帯が外傷により損傷することをリスフラン靭帯損傷と呼びます。

不十分な治療により陳旧性損傷となれば、活動性の高い患者にとっては、スポーツ活動などの支障となります。陳旧性の場合は、新鮮損傷より何十する場合が多く、新鮮損傷に対して、早期に診断して治療を行うことが求められます。

リスフラン靱帯図
出典:内山 英司ら Lisfranc損傷 MB Orthop. 24(13) : 1-8, 2011.

リスフラン靭帯損傷の原因

受傷機転としては、足に軸圧が加わって受傷する場合が多いです。
ジャンプや歩行時のつま先での着地に失敗した時、踵が上がっている状態で後から足に乗られた時に生じます。

リスフラン靭帯損傷の症状

足背部の腫脹と疼痛です。通常の捻挫よりも強い疼痛を訴える場合が多いです。踵の荷重は可能であっても、疼痛により前足部荷重が困難となる場合が多いです。損傷が底側に及ぶ場合は側背だけでなく、足底部の腫脹、疼痛と皮下血腫を認めます。

リスフラン靭帯損傷の検査

前足部荷重が困難の場合はリスフラン靭帯損傷を疑います。

単純X線:リスフラン靭帯損傷に伴う不安定性を評価する為には荷重撮影が必要です。

撮影は必ず健側も比較して左右左を評価します。荷重正面像では両足の第一・第二中足骨間の距離を測定して離開の程度を評価します。

図:荷重 正面X線像(左:患側 右:健側)患側では第1-2中足骨間(黄色矢印)が離開している
出典:磯本 慎二ら : 足の捻挫で起こること 整形外科  Surgical Technique Vol.12 No.4,  2022 (409)

リスフラン靭帯損傷の治療

Numleyの分類が用いられる場合が多いです。

以下のようにStageⅠ-Ⅲまで分類されます。

Stage I:荷重時X線像で転位がない。
StageⅡ:荷重時正面X線像で第1、2中足骨間の離開が2-5mmであるが荷重時側面  X線像ではアーチの低下を認めない。
StageⅢ:荷重時正面  X線像で第1,2中足骨間の離開が5mmより広く、荷重時側面  X線像でアーチの低下を認め、内側楔状骨下端と第5中足骨基部の距離が健側より小さくなる。

Stage Iは背側靱帯の損傷は見られますが、不安定性は少なく、保存加療の適応になります。
StageⅡ,Ⅲは不安定性が見られるため、手術適応と考えられます。

保存的治療

損傷の程度に合わせて安静度と安静期間を決める必要があります。
損傷や疼痛の程度に合わせて、2-6週間のギプス固定と免荷を行います。疼痛と主張が軽快すれば、ギプスを除去して可動域訓練とアーチサポートの足底版を装着して荷重を行います。足底版は受傷後3ヶ月以上装着します。荷重は踵から開始し、疼痛の程度に合わせて徐々に中足部、前足部への荷重を増やしていきます。片脚爪先立ちができるようになれば徐ジョギングなどは許可します。

手術

StageⅡ,Ⅲは手術加療を行います。スクリュー固定やスーチャーボタンによる固定が行われます。

図:中空スクリューによる圧着固定
出典:内山 英司ら Lisfranc損傷MB Orthop. 24(13) : 1-8, 2011.

医師より

医師より
院長

リスフラン靱帯損傷は荷重位撮影での評価出ないと診断できない為、非常に見逃しやすい疾患と言われています。また、見逃し後の陳旧例では治療が非常に難儀であることが問題とされています。見逃さないコツとしては受傷機転を正確に把握することです。ですので、受傷された時の状況を詳細にお伝えて頂くと、診断、治療がスムーズになります。

参考文献

・磯本 慎二ら : 足の捻挫で起こること 整形外科 Surgical Technique Vol.12 No.4, 2022  (409)
・Nunley JA.et al.Classification investigation and management of midfoot sprains:Lisfranc injuries in the athlete. Am J Sports Med.30,2002,871-8.
・内山 英司ら:Lisfranc損傷  MB Orthop. 24(13):1-8, 2011.

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