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タナ障害

タナ障害

タナ障害とは

タナとは膝関節の関節腔を形成する隔壁の一部で、膝の内壁に棚のように観察されるので、タナ(棚)と呼ばれています。
この膝内側の滑膜ヒダ(タナ)が原因となって、膝の症状(疼痛や引っかかり感など)が起きる疾患を、滑膜ヒダ症候群(タナ障害)とよびます。

15-25歳の若年女性に好発します。

膝内側滑膜ヒダ=タナ

図:膝内側滑膜ヒダ=タナ
出典:安藤 邦彦ら : 整形外科ナースのためのお悩み相談室   整形外科看護 Vol.19 No.6, 2014.

タナ障害の原因

滑膜ヒダは、母親の胎内にいる胎児期に一時的に作られるもので、関節腔内の隔壁の遺残組織です。滑膜ヒダは全てのヒトに遺残しているわけではありません。タナは健常膝の50%に存在しております。ほとんどの方は無症状で経過します。

しかし、軽微な外傷や膝関節内の他のトラブルの誘因になって、その炎症が膝全体に及んでタナにも炎症が起きるといったことがほとんどです。

タナ障害の症状

膝の内側の疼痛、引っかかり感を訴えます。

タナ障害の検査

MRI検査が有用です。また、確定診断には関節鏡を使用します。
関節鏡の所見から、小さいもの、中くらいのもの、大きいもの、巨大なものと4種類に分類されています。

図:関節鏡による分類(榊原の分類)
図:関節鏡による分類(榊原の分類)

図:関節鏡による分類(榊原の分類)
出典:安藤 邦彦ら : 整形外科ナースのためのお悩み相談室   整形外科看護 Vol.19 No.6, 2014.

タナ障害の治療

治療の第一選択は保存治療ですが、痛みが持続する場合は、関節鏡視下にタナ切除を実施します。

保存療法

消炎鎮痛薬(内服や湿布)の投与、ストレッチングや筋力強化が大切とされています。(図)

タナ障害のストレッチングや筋力強化
タナ障害のストレッチングや筋力強化

出典:安藤 邦彦ら : 整形外科ナースのためのお悩み相談室   整形外科看護 Vol.19 No.6, 2014.

手術治療

関節鏡視下にタナ切除を実施します。タナ障害は、他疾患と複合することが多いので確定診断は難しく、術後も症状が持続する症例も少なくありません。手術適応は慎重に検討します。

タナ障害の予防

前述のストレッチングが予防になります。

医師より

医師より
院長

思春期の女児の膝痛にはタナ障害を疑う症状が少なくありません。女性ホルモンの変動、体型の変化、スポーツ活動の活発化による膝痛や、膝蓋下脂肪体炎と月経の関連などが原因となります。整形外科に気軽にご相談頂ければと思います

参考文献

渡辺 正毅ほか.関節鏡からみた chorda cavi articularis genu(Mayeda)について.臨床整形外科.7(12),1972, 986-91.
榊原 穣.いわゆるタナ障害の診断と治療について.膝.5,1979,38-44.
佐藤 拓矢.キレのあるブレないカラダをつくる!:筋肉バランストレーニング.安藤 邦彦監.東京,新星出版社,2007,191p.
Sakakibara,J.Arthroscopic study on lino’s band(plica synovialis medio-patellaris). Nippon Seikeigeka Gakkai Zasshi. 50, 1976, 513-22.
Kent,M.et al.Synovial plicae around the knee.Knee.17(2),2010,97-102.

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