シーヴァー病
シーヴァー病
シーヴァー病とは
スポーツ動作の繰り返しにより、アキレス腱や足底腱膜の牽引力よって踵骨の骨端部に繰り返しストレスがかかり障害を起こしたものをシーヴァー病(Sever病)といいます。
10歳前後の学童期の男子に多いスポーツ障害の一つです(図)。
(図) オスグッド・シュラッター病とシーヴァー病のメカニズム
出典:山口 奈美ら : 第11回 オスグッド-シュラッター病・シーヴァー病 整形外科看護 Vol.19 No.7, 2014.
シーヴァー病の原因
原因は以下の3つと言われています。
- スポーツ動作の繰り返し(オーバーユース)
- 成長痛
- 筋肉が硬い
シーヴァー病の症状
踵部の運動時痛が生じます。
シーヴァー病の検査
理学初見
踵部の腫脹・圧痛はありませんが、圧痛(踵骨を内外側から圧迫した時の痛み)を認めます。
画像検査
X線写真では踵骨骨端部の骨硬化や分節化を伴った不整像を認めることがありますが、小児きにはよく認める所見でありシーヴァー病に特徴的な所見ではありません。(図)
(図)踵骨骨端部の骨硬化と文節化
出典:山口 奈美ら : 第11回 オスグッド-シュラッター病・シーヴァー病 整形外科看護 Vol.19 No.7, 2014.
シーヴァー病の治療
基本的には保存治療を行います。痛みが強い時は運動を中止し患部を安静にします。
運動再開後はアキレス腱のストレッチを指導します。踵部の衝撃を緩和するために靴に足底挿板やヒールパッドを入れたりします。運動制限や安静だけで症状が消失することがほとんどです。
医師より
過度な運動により、足底腱膜やアキレス腱が緊張し、成長期で脆さがある軟部組織に炎症が出るとされています。
このことから、踵周囲の筋肉を緩めること、足への衝撃を軽減させるインソールを作成することが重要です。
当院での治療方針
理学療法にて踵周囲の筋肉を緩めるようなストレッチを行なったり、その方法を指導します。また、オーダーメイドのインソールを作成して、踵に角に負担がかからないような状態にして、出来るだけ早期のスポーツ復帰を目指します。
シーヴァー病の予防
普段から股関節、膝関節、足関節の柔軟性を得ることが大切である為、適切なストレッチが必要です。
参考文献
伊東 勝也ほか:後足部有痛性疾患 .前掲書 1),330-7.
奥田 龍三:足部のスポーツ障害.関節外科.27(12),2008,89-100.
山口 奈美ら : 第11回 オスグッド-シュラッター病・シーヴァー病 整形外科看護 Vol.19 No.7, 2014.