へバーデン結節、ブシャール結節
へバーデン結節、ブシャール結節
へバーデン結節、ブシャール結節とは
手指に生じる変形性関節症は、疼痛や可動域制限、握力低下をきたす疾患です。
手指の変形性関節症の中でも、DIP関節(第一関節)に発生したものをへバーデン結節、PIP関節(第二関節)に発生したものをブシャール結節と言います。
我が国の平均65.6歳の研究によると、手指の変形性関節症の患者は女性92.3%、男性89.9%と報告されており、膝や腰椎に比べても圧倒的に高い発生率です。
へバーデン結節、ブシャール結節の原因
高齢、女性、家族歴、高い骨密度、肥満、機械的ストレスが報告されています。その中でも重要な要素は年齢であり、50歳以上で急激に増加します。
その次に重要な要素は女性があります。本法では男性より女性が3.18倍発生しやすいと報告されています。
へバーデン結節、ブシャール結節の症状
図のような関節部の膨隆、屈曲拘縮、、側方変異、腫脹、疼痛などの症状があります。
図:関節部の膨隆、屈曲拘縮、側方偏位
出典:建部 将広ら へバーデン結節, ブシャール結節 MB Orthop. 29(11) : 31-36, 2016
へバーデン結節、ブシャール結節の検査
診察にて手指の外観上の変形や痛み、圧痛を確認します。特にDIP 関節(第一関節)では、嚢腫形成(粘液嚢腫)を生じることもあります。
続いてレントゲン検査にて同部位の関節の変形を確認します。(図)
図:レントゲンにて関節裂隙の消失と変形
出典:建部 将広ら へバーデン結節, ブシャール結節 MB Orthop. 29(11) : 31-36, 2016
へバーデン結節、ブシャール結節の治療
保存治療として装具(へバーデンリング)や運動療法等の非薬物治療、鎮痛剤、ステロイド注射などの薬物治療を行います。
薬物治療にて改善が乏しい場合は手術療法を検討します。
医師より
手指の疼痛で見逃してならないのは関節リウマチなどの自己免疫疾患です。
自己免疫性疾患は不可逆性の変化を来たし、発見や治療が遅れることで変形が進み、元に戻ることはありません。関節リウマチを疑う際は必要な血液検査を行って専門医による診断が必要です。手指の変形、痛みがあれば、出来るだけ早く医療機関を受診して頂ければと思います。
参考文献
Kodama R,et al: Prevalence of hand osteoarthritis and its relationship to hand pain and grip strength in Japan: The third survey of the ROAD study. Mod Rheumatol.26:767-773,2016.
andrianakos A A,et al: Prevalence of symptomatic knee hand,and hip osteoarthritis in Greece. The ESORDIG study. J Rheumatol. 33:2507-2514,2006.
建部 将広ら へバーデン結節, ブシャール結節 MB Orthop. 29(11) : 31-36, 2016